運用のイメージ

ヤマト運輸は9月19日、ドライバー不足対応と効率的な幹線輸送を目的に、車両長25mの「スーパーフルトレーラ25」を日本初導入し、年内に厚木、中部、関西の各ゲートウェイ(GW)間で運行開始すると発表した。

物流業界では、主に幹線輸送を担う大型トラックドライバーの不足や高齢化が進んでいる。労働人口の減少などにより人材確保はより困難になることが見込まれる中、国土交通省は、トラック輸送の省人化を推進するため、2016年9月に「ダブル連結トラック実験協議会」を設立。車両長の基準を最大25メートルまで緩和する実験を実施するなど、物流業界の人手不足への対応を進めている。

一方、ヤマトグループは、主要都市圏の玄関口に総合物流ターミナル「ゲートウェイ」の建設を推進。2013年の厚木、2016年の中部に続き、2017年11月には関西GWが稼動し、各GW間での多頻度幹線輸送による効率化や作業の省人化を図り、ドライバーと並び深刻化する作業員の不足への対応を進めている。

今回、ヤマト運輸は2016年に運用を開始したフルトレーラ(車両長21メートル)やセミトレーラ(同18メートル)に加え、車両長25メートルの新規格トレーラを厚木GWと関西GWの2拠点に各1台導入、大型車両による幹線輸送の効率化に取り組んでいく。

新規格トレーラは、車両長が25メートルに拡大したことにより、積載量が従来の大型トラックの2倍に増加。幹線輸送の効率化を実現する。また、異なる事業者のトレーラを連結し1台の車両として運行できることから、事業者の壁を越えた業界全体の輸送の効率化も可能にする。

ヤマト運輸は今後、物流業界全体での幹線輸送の効率化を図るため、同業他社との協議を進め、スーパーフルトレーラ25の効果的な運用に努める。なお、スーパーフルトレーラ25の実車は、10月5日に大阪府茨木市で行われる関西GWの開所式で展示する予定だ。