マツダCX-8と小飼社長《撮影 伊藤和幸》

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2017年9月15日付

●ビール、遊園地不振、おでん、秋冬服好調、8月長雨夏商戦明暗(読売・10面)

●マツダCX-8、12月に、新型SUVディーゼルのみ(読売・10面)

●交通死夕暮れ時に集中、警察庁、ハイビーム使用呼びかけ(読売・29面)

●空飛ぶクルマ開発拠点新設、東京・愛知に(朝日・8面)

●ベビーカー規制見直し要望へ、経産省、警察庁などに(朝日・8面)

●16年の後部座席事故死、シートベルト未着用57%警察庁調査(朝日・33面)

●五輪2024年パリ、28年ロス(産経・1面)

●安倍首相、起工式出席、印高速鉄道他路線に意欲(産経・11面)

●交通事故死最少1675人、上半期、高齢者が半数超(産経・28面)

●量子コンピューターで開発、デンソ―交通渋滞を緩和、JSR化学新素材速く(日経・1面)

●ディーゼル・EV両にらみ、独首相雇用優先、英仏と差(日経・3面)


ひとくちコメント

予想されていたことだが、きょうの各紙には「ディーゼルのみ」とか「あえてディーゼルだけ」とか、さらには「逆風の中で」という表現が目立つ。マツダが発表した3列シートクロスオーバーの新型SUV「CX-8」のタイトルや記事のことである。

CX-8の動力源としては、独自開発で進化したクリーンディーゼルエンジンのみ搭載。折から、欧州などで環境規制が強化され、電動化が加速して国内メーカーでもSUBARU(スバル)やホンダなどもディーゼルエンジンから撤退か段階的に縮小する方針を検討している。それだから「ディーゼル車には逆風が吹いている」というわけだ。

もっとも、ガソリンやディーゼルの内燃機関を「逆風」と決めつけているのは、エコカーといえば「EV(電気自動車)」一点張りのメディア側であり、発表会で小飼雅道社長も「地球環境保全という面で、マツダのディーゼルエンジンには強みがある」と太鼓判を押す。大気汚染の要因でもある二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、窒素酸化物(NOx)などの排出もSKYACTIVの技術革新で大幅に低減されているという。

きょうの毎日は「欧州などで環境規制が強化されディーゼル車には逆風が吹くが、マツダは今後も得意とする内燃機関の性能向上を主軸にすえて対応していく考えだ」と指摘。東京は「マツダ、ディーゼルでも進化、環境性能を高めEVと共存」の見出しで、力強い走りや長距離走行が可能などとディーゼル車の利点を伝えている。

また、ガソリンよりも低価格の軽油を燃料とするディーゼル車が経済性に優れているという点は、ディーゼルが愛車のユーザーならば誰もが納得していることだろう。

そんな中、このところ、EV関連の記事が際立つ日経は「マツダ流割り切り戦略」とのタイトルで「世界各国の環境規制や自動車大手の電動車戦略はここ数か月で劇的に進んでいる」として「エンジン技術は自ら磨き、EVはトヨタと協力するという青写真は正しいのか、答えはまた見えない」と結んでいる。

8月に資本提携を発表したばかりであり、答えが見えないのは当然。それよりも、“ぶれない戦略”を続けるマツダのこだわり経営の“神髄”についてももっと知りたいものである。

マツダCX-8《撮影 伊藤和幸》 マツダCX-8《撮影 伊藤和幸》 マツダCX-8《撮影 伊藤和幸》