国土交通省は29日、2018年度予算の財務省に対する概算要求を公表した。総額は6兆6944億円。この後、年末に向けて両省で予算折衝に入る。

総額では17年度比で1.16倍。総額が6兆円を超えるのは4年連続。「目的や効果に踏み込んで重点化し、限られた予算で最大限の効果の発現を図る」ことを狙った。

17年度比で1.92倍と増減率で目を引くのが「公共交通における安全・安心の確保」だ。予算額は6億円と項目としては、けして小さいが、貸切バス事業者や事業用自動車の事故防止体制の強化を始め、テロ対策のための航空保安検査の高度化や警備体制の強化、小型航空機の安全対策の推進のほかに、無人航空機を使用した荷物配送実現に向けた安全対策の推進も盛り込まれている。

さらに、将来にむけた持続可能な地域公共交通ネットワークの実現に335億円。乗りやすいバス、駅のホームドア整備、自動運転による新たな交通サービスの創出に向けた整備や実証を行う。

交通安全対策の推進には1526億円が要求され、通学路の無電柱化、暫定2車線区間の4車線化、逆走対策の推進などを目指す。

予算規模でみると、道路や橋などインフラ老朽化に対応する維持管理や更新に5087億円。また、災害時のう回路確保など災害時の人流・物流確保のために4253億円、ゲリラ豪雨による河川の氾濫などの防災・減災対策として、堤防のかさ上げ、被災地域への集中的な再度災害防止対策、地下駅の浸水対策推進などを盛り込み4771億円。南海トラフ、首都直下地震対策の推進に1772億円。

住環境では、三世代同居など複数世帯の同居に対応した良質な住宅整備やリフォーム支援、子育て環境の整備促進のための地方公共団体と強調した金融支援などで1309億円、空き家や所有者不明土地の有効活用推進のために405億円を要求した。

東日本大震災復興特別会計は4859億円。17年度比で0.91倍の要求になった。