2018年の鈴鹿10時間耐久レースに向けて力を合わせる、山下社長、坂東代表、ラテル氏、ドミンゴ氏。《撮影 遠藤俊幸》

25日、今季SUPER GT第6戦「鈴鹿1000km」の予選日を翌日に控えた鈴鹿サーキットで、来季の当該週に初開催される「鈴鹿10時間耐久レース」(4輪)についての会見が実施された。ワンメイクタイヤの供給社がピレリに決まった旨等が報告されている。

今年で通算46回目、近年はSUPER GTのシリーズ戦にもなっている夏の名物レース「鈴鹿1000km」。来季からはSUPER GTのシリーズ戦を外れ、「鈴鹿10時間耐久レース」として新生されることは今春に発表済みであった(来季のSUPER GT鈴鹿戦は5月に300km戦として別途開催)。

鈴鹿10h(テンエイチ)の愛称を鈴鹿サーキットが提唱するこの新レースは、世界のGTレーシングの主流である「FIA-GT3」規定のマシンが国内外から集うことを企図。GT3マシンがGT300クラスに多く参戦するSUPER GTのシリーズ運営団体「GTA」、そしてGT3マシン参戦シリーズの世界的コントローラーとも呼べる「SROモータースポーツグループ」がコラボレーションパートナーとなり、鈴鹿サーキットの運営会社「モビリティランド」とともに大会をクリエイトする。

賞金総額は1億円(優勝3000万円、他に各賞あり)。GT3規定車以外のGT300クラス年間エントリーマシン(JAF-GT規定車)も参戦できる。また、SROが主宰する“世界戦”「インターコンチネンタルGTチャレンジ」のシリーズ戦のひとつになることが7月に決定。やはりSRO主宰の欧州トップシリーズ「ブランパンGT」等を主戦場とする海外強豪チームの参加も期待されている。

この日の会見には、モビリティランドの山下晋社長、GTAの坂東正明代表、そしてSROのステファン・ラテルCEOに、ホンダ、トヨタ(レクサス)、日産のモータースポーツ首脳も出席。山下社長からは「フルグリッド50台の参戦確保を目指す」との思いがあらためて語られ、「地域も含めた夏の一大イベントにしたい。金曜〜土曜にはサポートレースも実施する方向で検討中」との旨も語られた。

国内3メーカーの首脳からは、いずれも自社のユーザーチームに対して参戦サポートを行なっていきたい意向等が前向きに語られた。ホンダ系のサーキットで開催されることもあり、特に前向き度が高かったのはホンダの山本雅史モータースポーツ部長。「GT500参戦選手も含めたドリームチーム結成を」との考えも示された。

大会ロゴ等もこの日が初公開。そして注目のワンメイクタイヤサプライヤーはピレリに決定した。山下社長によれば、多くのタイヤメーカーから申し出があったなかでピレリに決まったという。会見にはピレリ・モータースポーツのモータースポーツビジネス担当取締役エルネスト・ガルシア・ドミンゴ氏が登壇、このレースをまさに脚もとから支えて盛り上げていこうという意志が語られている。

まだまだ“詳細はこれから”の印象も強い鈴鹿10hだが、日本のモータースポーツシーンにおける新たなビッグイベントとしての成功、成熟が期待されるところだ。「第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース」は、2018年8月26日を決勝日(10時30分スタート)とする日程で開催される。

大会ロゴも初公開された。「10」のゼロの中に日本がある。《撮影 遠藤俊幸》 ワンメイクタイヤはピレリに決定。《撮影 遠藤俊幸》 登壇したピレリのドミンゴ氏。《撮影 遠藤俊幸》 ホンダ、日産、トヨタのモータースポーツ首脳によるトークセッションも実施された。《撮影 遠藤俊幸》 この日の会見に出席した首脳たち。《撮影 遠藤俊幸》 2018年大会はフルグリッド50台が目標とされる。《撮影 遠藤俊幸》 2017年6月に開催された「ブランパンGTシリーズ・アジア」鈴鹿ラウンド。《写真提供 MOBILITY LAND》