サーキットを試乗し、旋回性の高さを実感できたニュー『GSX-R1000R』。その優れるコーナリング性能には、エンジンの搭載レイアウトも大きく関わっていると、エンジン設計を担当した織田知之さんが教えてくれた。
「新型GSX-R1000Rが目指したのはナンバー1スポーツバイクです。そのためにはエンジン出力だけでなく、コーナリング性能もナンバー1でなければなりません。車体設計部からはエンジンサイズの要望があり、それは絶対条件でした」(織田さん)
織田さん自身も実際に従来モデルをライディングし、その要望がどれほど重要であるかを理解してからエンジンレイアウトに取りかかったという。
そして導き出した答えが、エンジンを従来より6度起こすというレイアウトだった。シリンダーヘッド前部からクランクケース後部までで22.2mm短縮することができ、また、フロントアクスルからスイングアームピポットまでの距離も20mm短縮。
「エンジン長が短いことでエンジンをフロントタイヤに近づけることができ、フロントまわりのフィーリングとライダーに届くインフォメーションを向上することができたのです。また、エンジン幅が狭くなり、正面投影面積が減少し、空力向上にも貢献しています」(織田さん)
たしかに乗ってみても、コーナリング中にフロントタイヤからのインフォメーションが感じ取りやすく、安心して前輪に荷重をかけていける。
エンジン幅は従来型エンジンより6.6mmの短縮だという。
なお、スペック上において、202ps(148.6kW/1万3200rpm)の欧州仕様に比べて、国内仕様の最高出力は197ps(145kW/1万3200rpm)と低く公表されているが、これは認証検査時の計測方法の違いによるもので、エンジンに違いはないとのこと。
ただし国内仕様には、180km/hスピードリミッターが付いている。
エンジンを前輪に近づけることでナンバー1の旋回性を…スズキ GSX-R1000R 新型エンジン設計者【インタビュー】
2017年08月22日(火) 12時45分
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