「特に原付市場が非常に厳しいが、それより少し大型のところは堅調に推移している」。2016年〜2017年上半期の国内二輪車市場の販売実績について、日本二輪車工業会二輪車特別委員会(二特委員長)の柳弘之ヤマハ発動機社長は、こう評した。
二輪車国内市場を、排気量51cc以上の自動二輪車に区切って見ると、2016年1年間の販売実績は21万761台(前年比99パーセント)。前年に続き、21万台を死守することができた。踏みとどまることができた要因は、スクーター人気やスポーツタイプの投入によるニューモデル効果に支えられた125ccクラスの延びだ。このクラスの販売台数が10万台を超えたのは、2013年以来のことだ。
ただ、125ccクラスの健闘は越年する勢いにはならなかった。今年1月〜6月の上半期の販売は125ccクラスの販売は、前年同期と比較すると約10パーセントの減少、4万5197台に留まる。
それでも17年上半期の自動二輪車全体の販売は、昨年をわずかに上回る10万6722台を達成した。軽二輪(126〜250cc)クラスが、前年同期119.9パーセントの2万8614台と、とても好調だったからだ。下半期もこのミドルクラスの好調は続くと、国内メーカーは期待する。
二特副委員長の安倍典明ホンダ執行役員・二輪事業本部長は言う。「スーパースポーツ、フルカウルスポーツといわれるロードスポーツモデルに人気が出ている。特にこの排気量帯は20代の若者、エントリーの購入層が多く、今後も伸びると期待している。もう1つの理由としては今年からホンダ、スズキ、カワサキがこの排気量帯にアドベンチャータイプのモデルを投入、お客様に受け入れられていること」。
ミドルクラスの隆盛は、国内市場の方向感を見失いつつあった二輪車メーカーにも大きな自信となっている。安倍氏はいう。「250ccクラスのスーパースポーツを、我々も若干“あきらめちゃってた感”があったが、実は若い人たちが期待していた味というか、楽しさを提供できれば帰ってきてくれるかなというのが足元の状況」。
しかし、薄日が差したかのようみえる二輪車国内市場の本当の問題は、自動二輪車ではなく、クラス最高の販売規模を占める50cc原付バイクの低迷にある。
250cc好調の裏で、50cc原付の「縮小続く」...バイクの日に自工会二特委
2017年08月19日(土) 20時42分
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