三菱エクスパンダー(インドネシアモーターショー2017)《撮影 工藤貴宏》

10日からインドネシアの首都ジャカルタで開催中のインドネシア国際オートショー(インドネシアモーターショー)でワールドプレミアされた三菱の新型車『エクスパンダー』。車体サイズは全長4475mm×全幅1750mmで搭載エンジンは自然吸気1.5リットル。インドネシア現地では販売台数が多いと同時にシェア争いも激しい小型MPVクラスの新型車だ。

ライバル同士が切磋琢磨しているこのジャンルで、新規参入する三菱はどう存在感を出し、人気を高めていこうとしているのか? 

「まずは三菱らしい外観デザインですね」というのは三菱自動車商品戦略本部商品企画部の前川裕史さん。トヨタ『アバンザ』やダイハツ『セニア』、スズキ『エルティガ』など先行するライバルたちは絵にかいたような「箱」であり、デザイン的な遊び心は見られないに等しい。

いっぽうで三菱エクスパンダーはSUVテイストを盛り込んだエネルギッシュなスタイルで、フロントバンパーに埋め込んだヘッドライトなど顔つきからして大胆だ。「そんなSUVテイストがライバルに対する差別化につながるよう作りました。先代の『パジェロスポーツ』(東南アジアで大人気のピックアップトラック『トライトン』をベースにしたフレーム付きSUV)以降、三菱はSUVブランドとしてこの地域で認知を高めました。そこでエクスパンダーもその雰囲気を訴求しています」。

さらにリヤスタイルもL字型にLEDを組みあわせ大胆に側面へ切り込むテールランプなど個性が光る。「インドネシアの都市部では渋滞が多いから、リヤスタイルを長い時間じっくりと見られ、クルマの印象となります。だから、L字型デザインと個性的に光るLEDで差別化して存在感を高めることにしました」という。

ところでインドネシアではMPVの台数は多い。しかし実際の使われ方もクルマのイメージもひとことでいえば「実用性」である。だから高級な場所にはなじまない雰囲気を放っている。「高級ホテルに行かれるようなクルマを作りたかった。それをデザインでも表現した」(前川さん)というエクスパンダーが、個性的な意匠でどこまでライバルの牙城を崩せるのか楽しみだ。

三菱エクスパンダー(インドネシアモーターショー2017)《撮影 工藤貴宏》 三菱エクスパンダー(インドネシアモーターショー2017)《撮影 工藤貴宏》 三菱エクスパンダー(インドネシアモーターショー2017)《撮影 工藤貴宏》 三菱エクスパンダー(インドネシアモーターショー2017)《撮影 工藤貴宏》 三菱エクスパンダー(インドネシアモーターショー2017)《撮影 工藤貴宏》 三菱エクスパンダー(インドネシアモーターショー2017)《撮影 工藤貴宏》 三菱エクスパンダー(インドネシアモーターショー2017)《撮影 工藤貴宏》