メルセデス・ベンツコネクション出発《撮影 高木啓》

東京都心からカーテンを締め切ったバスで連れて行かれたその行き先は……? メルセデス・ベンツ日本は9日、メルセデスベンツの最高級セダン『Sクラス』の改良新型を発表した。媒体向けの発表会場は工事中の高速道路だった。

事前にメルセデス・ベンツ日本から送られた招待状には、集合場所である東京六本木のメルセデス・ベンツコネクションから「専用バスにて秘密の発表会場へ、皆様をご案内いたします」と。所要時間は約1時間だとも。

メルセデス・ベンツコネクションのコネクションには観光バスが待機しており、カーテンを締め切っている。暑い日だったので車内気温の上昇を抑えるためかと思ったら、出発時に、閉じたままご移動ください、と。果たしてどこへ行くのか。

走り出して揺れるカーテンの隙間から、スカイツリーがあっちに見える、日光がこちらから当たっているから概ね北上している、この防音壁は外環道だ、と同行者とヒソヒソ。スマホの地図で調べれば簡単にわかることだが、ここはメルセデス・ベンツ日本の趣向に乗った。

スピードが落ちて右左折を小刻みに繰り返したところで「カーテンをお開けください。会場は建設中の外環道です」と明かされた。リゾート地の高級ホテルかゴルフ場かと思ったら……。

外環道の東側は現在、三郷南IC〜高谷JCT間が工事中だ。到着後の説明で明確になったが、進入地点は千葉県の松戸市内。外回り方向でいうと、JR常磐線をオーバーパスし下総台地で半地下になるあたりから、工事現場に進入した。バスも外回り車線へ進入。

路面の舗装は完了しており、照明や信号、通信・情報設備を取り付ける前の状態だ。数分前進して到着。発表会場は小塚山トンネルの南側、北千葉JCT付近の半地下区間だ。内回り車線に設営されている。首都高の渋滞で予定より遅れて、六本木から1時間20分ほどかかった。

トンネル内にはメルセデスベンツ各車種が整列しており、発表会用の椅子が並べられていた。バスの遅れのにともないイベントも定刻にやや遅れて開始、下手のカーテンが開くとSクラスが自走して登場した。カーテンの向こう側が車両見学スペースで、レストハウスも設営されていた。

ふつう発表会が行なわれるホテルの宴会場やコンベンションホールと比べて、ここだと車両の自走が可能、展示車両台数が多いといった利点がある。排ガスを発生する車両の自走デモは屋外で行われることが多いが、ここは半地下なので天候の影響が少ない。リモートパーキングのデモ走行も実施された。

さすがにトンネル内壁の全面を装飾することはできず、写真の背景はコンクリ打ちっ放しで殺風景になるが、入ろうと思って入れる場所ではないし、開業後は事故でもない限り歩くことはできないので、いい話のタネにはなった。

往路のバス《撮影 高木啓》 着いた!!《撮影 高木啓》 工事中の外環道《撮影 高木啓》 Sクラス改良新型発表会。メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長。《撮影 高木啓》 Sクラス改良新型発表会《撮影 高木啓》 Sクラス改良新型発表会。《撮影 高木啓》 復路のバスはカーテンを開けて。《撮影 高木啓》