マツダ 藤本哲也常務執行役員《撮影 池原照雄》

マツダが8月2日に発表した2018年3月期の第1四半期(4〜6月期)連結決算は、営業利益が前年同期比24%減の399億円となった。中国や日本の販売が堅調だったものの、北米の販売環境が厳しく収益を悪化させた。

同期のグローバル販売は1%増の37万7000台と、この期では前年に続いて過去最高になった。北米は6%減少したが、中国は20%増で同期では過去最高。また日本も回復基調になって5%のプラスを確保した。為替は1ドル111円で、前年同期からは3円の円安だった。ただし他通貨も含めた営業損益段階での為替変動による増益影響は3億円にとどまった。

売上高は3%増の8021億円、純利益は為替評価差益による営業外収支の改善で72%増の366億円と、大幅増益になった。通期の為替レートは、従来の1ドル108円の前提を維持する。また、通期業績も営業利益1500億円(前期比19%増)、純利益1000億円(7%増)としている従来予想を据え置いた。

都内で記者会見した藤本哲也常務執行役員は、第1四半期の業績に影を落とした米国市場の状況について「競争激化はある程度想定していたが、かなり厳しいものがある。セダン系のインセンティブは高騰し、高止まっている」と指摘した。一方で「『CX-5』など採算性の高いクロスオーバー系へのシフトは順調だ。下期からはグローバルで反転攻勢を図っていきたい」と強調した。

同社は8月以降、本社工場と防府工場(山口県防府市)でCX-5など需要の好調なクロスオーバー系モデルの増産を図る計画を進めており、販売増につなげていく構えだ。

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