パナソニックの2017年度第1四半期決算を説明する梅田博和CFO《撮影 山田清志》

パナソニックは7月31日、2017年度第1四半期(4〜6月)決算についての会見を行った。その席上、梅田博和CFOは「今期は増収増益に転じる年と位置づけており、順調なスタートを切れた」と評価した。

第1四半期の売上高は前年同期比5.1%増の1兆8652億円、営業利益は同16.9%増の839億円、当期純利益が67.1%増の487億円となり、目標通り増収増益を達成することができた。ただ、営業利益段階でその他利益が91億円あり、それを除くと30億円ほどの増益に留まっており、本業の本格的な回復はまだまだといった感が強い。

とは言うものの、セグメント別では航空機関連事業が属するアビオニクス部門以外は増収増益で、2016年度とは様変わりした決算となった。特に好調だったのが車載関連事業で、それが属すオートモーティブ&インダストリアルシステムズ部門は売上高が12.7%増の6564億円、営業利益が2.7%増の177億円だった。

「スペインの自動車部品メーカーであるフィコサ社の新規連結が大きく寄与したほか、ディスプレイオーディオやカメラ・ソナー等が堅調で、車載電池の販売も円筒形、角形ともに伸長し、増益となった」と梅田CFOは説明する。

しかも、車載電池はこれから大きく伸びるそうだ。というのも、テスラ社の電気自動車(EV)『モデル3』への出荷が6月に始まったばかりで、「現時点では生産の立ち上げ費用が増えており、利益貢献をするのは17年度後半から18年度にかけてになる」(梅田CFO)からだ。

そのほか、エアコンやデジタルカメラなども好調で、特にハイエンドのミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-GH5」がプロ向けを含めてグローバルで人気を獲得しているそうだ。その結果、それらが属するアプライアンス部門は増収増益となった。ただ、梅田CFOによると、「原材料価格の高騰が懸念材料で、銅や鉛などを扱うアプライアンスが一番影響を受ける」とのことだった。

2017年度の通期の業績見通しについては、売上高が前年比6.2%増の7兆8000億円、営業利益が21.0%増の3350億円、当期純利益が7.1%増の1600億円で、5月11日公表の数字から変更をしていない。