クルマの所有者向けに販売する「LINKDrive(リンクドライブ)」の端末。《撮影 石田真一》

GMOクラウドは26日、クルマのOBD2コネクタに接続することで車両コンディションの自動解析や、遠隔診断を行うことができるIoTソリューション、「LINKDrive(リンクドライブ)」と「LINKPit(リンクピット)」を発表した。

「LINKDrive」はクルマの所有者向けツールで、OBD2コネクタに取り付けた端末を通じて車両側ECUに蓄積された各種情報を吸い上げ、Bluetooth経由でペアリングしたスマートフォンアプリでこれを解析。車両コンディションをわかりやすく表示させるというもの。オイルの汚れであるとか、バッテリーの劣化、タイヤの消耗などをスマートフォンの画面から確認できるようになっており、これら消耗品の最適な交換時期の把握が行える。2008年以降に製造された車両で、OBD2コネクタが装備されたものであれば、国内や海外のメーカーを問わずほぼ対応できるという。

「LINKPit」は自動車整備業者向けの汎用スキャンツールで、こちらもOBD2にデバイスを接続。故障コードやエンジン系トラブル時のフリーズフレーム情報をBluetooth接続したAndroidタブレットにアプリ経由で表示させることができる。また、前述したLINKDriveと連携した車両の遠隔診断も行えることが特長のひとつとなっている。

独立系の整備工場が顧客のクルマにLINKDriveを接続することで車両状態の把握が可能となり、同時に故障の予兆もわかるようになる。これによって顧客側へ「予備的な入庫のアプローチ」といった営業施策を実施することや、突発的な故障発生時にはトラブル内容を入庫前に把握することで交換パーツの発注を先んじて行ったり、整備作業に当たる人員を効率的に配置することで修理期間の短縮を図れるといったメリットもあるという。

LINKDrive用の端末は5000円。LINKPitデバイスは初期費用が5万円で、月額利用料が1万5000円。サービス開始は9月を予定している。

車両側のOBD2コネクタに接続することでECUに蓄積された情報を吸い上げ、スマホアプリを介してわかりやすく表示する。《撮影 石田真一》 非常にコンパクトな筐体。スマホとの接続はBluetoothで行なう。《撮影 石田真一》 箱に書かれた接続までの説明も単純明快なものとなっている。《撮影 石田真一》 スマホアプリの表示例。OBD2コネクタを備えた2008年以降に製造されたクルマであれば、国内・海外のメーカー問わずほぼ対応できるという。《撮影 石田真一》 クルマに詳しくない女性もターゲットとしているため、アプリの画面はグラフィカルでわかりやすい。《撮影 石田真一》 消耗するもの=トラブルに直結しやすいものなので、これを重点的に、わかりやすく表示する。《撮影 石田真一》 バッテリーはエンジン始動時の電圧情報を吸い上げて表示。《撮影 石田真一》 劣化度合いもわかりやすい。《撮影 石田真一》 タイヤは回転数から磨耗の度合いを推定表示する。《撮影 石田真一》 溝の深さは事前に登録しておくことが必要となる。《撮影 石田真一》 オイルは走行距離から判断する。《撮影 石田真一》 こちらも交換の目安をアプリで教えてくれる。《撮影 石田真一》 整備工場向けのデバイスとなる「LINKPit(リンクピット)」、より詳細な情報を吸い上げる汎用スキャンツールとなっている。《撮影 石田真一》 こちらは情報をAndroidタブレットのアプリを介して表示する。《撮影 石田真一》 「LINKDrive」と連携させることで遠隔診断も可能としている。トラブルの予兆を通信(クラウド)経由で把握できる。《撮影 石田真一》 独立系整備工場のヒジネスを拡大させるツールとして期待される。《撮影 石田真一》