VW ゴルフ オールトラック TSI 4MOTION《撮影 島崎七生人》

LEDヘッドランプ、新意匠のテールランプなどが目新しい。写真の18インチホイールも新設定(オプション)。ボディ色は全7色中2色が入れ替わった。が、外観はほぼ“7”を踏襲した“手堅さ”が印象的だ。

では内装は?というと、本体の『ゴルフ』と歩調を合わせたデジタル化がポイント。セットオプションのデジタルメータークラスター、9.2インチ(従来は8インチだった)大型全面タッチスクリーン採用のインフォテイメントシステムは試乗車にも装着されていたが、AppleのCarPlayなどの利用での、車内にいながらにして各種情報の閲覧、アクセスを可能にした。

頻繁に触る(操作する)空調はダイヤルとボタンの物理スイッチが残され、そちらで操作可能なのでわかりやすく話が早い。一方でドライバー正面のメーターも液晶画面にアナログメーターが“描写”されるほか、切り替えればナビの地図画面も表示可能。日本の多くのユーザーは、長らく別の場所にある地図画面を見るスタイルに馴染んできたはずだが、慣れれば、視線移動がより少ないコチラの方式の便利さがわかるはずだ。

実用性、安全支援装備は、最新のゴルフに準じたもので、追加設定された渋滞時追従支援では、アクセルのほかステアリング操作の支援(作動の印象はごく穏やかで違和感がなかった)も実行してくれ、利便性を高めた。試乗車はラゲッジスペースにオプションのラバー製フロアマットが敷いてあったが、ワゴンとしての理屈抜きの使い勝手のよさはあいかわらず。4MOTIONだが後席の居住性、快適性はヴァリアントのFFモデルと何ら変わらない。

カタログの諸元表上、ヴァリアントとの全高の差は25mmほどだが、+160kgの車重差と18インチタイヤ&ホイールで、乗り味はより重厚な趣を感じた。もちろん165mmのロードクリアランスが、ラフロードへも気後れせず踏み込める余裕をプラスしている。

ドライビングプロファイルには専用の“オフロード”モードが付き、急坂の2〜30km/hでブレーキを制御しながら、スピードを一定に保ってくれるのが心強い。オンロード走行では“カスタム”でステアリングのみスポーツにし操舵力をやや重めにした設定が、個人的にはしっくりときた。

搭載エンジンはGTI、Rを除けばもっとも余裕のある1.8リットルターボを搭載、これと6速DSGの組み合わせだ。場面を問わずスムースな走りも確認できた。今回の試乗での実燃費は11.0km/リットルほどで、長距離を一気にこなすような場合は現在のカタログ燃費(13.5km/リットル)を軽く上回りそうな感触だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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