エクセンのクローラー式運搬台車「バッテリートラック」《撮影 山田清志》

産業機械などを手がけるエクセン(本社・東京都港区)は「建設資材展2017」にクローラー式運搬台車「バッテリートラック」を展示した。現在、建設業者から引き合いが相次いでいるという。

同社の歴史は古く、今年102周年を迎える。1915年に創業者の林茂木氏が「林自動車製作所」を立ち上げたのが始まりで、純国産初の自動車製造を行ったというエピソードを持つ。その後、さまざまな変遷を経て産業機械や建設機械を製造するようになったが、創業者のパイオニア精神は今なお根付いているそうだ。

そんな同社が自信を持って展示したバッテリートラックは、大きさが1651mm×762mm×349mmで重量が427kg。運搬能力に優れ、平地では最大1000kg、斜面や階段では最大500kgの荷物を運ぶことができる。しかも、最大斜度40度の傾斜や階段を昇ることができるのだ。移動速度は1分間で6.7〜50mとなっている。

また、超信地旋回方式を採用しているので、その場で旋回することも可能。階段の踊り場など狭い範囲でも難なく旋回することができるわけだ。おまけにバッテリー駆動なので、排ガスを一切発生しない。1回の満充電で約90分動き続けることができる。

「エレベータやクレーンが使えない狭いところを運搬するにはもってこいの製品だと思います。これまでそういう現場で重たい資材を運ぶ場合、何人もの人が力を合わせて運んでいましたが、この機械を使えば1人で済みます。人手不足の現在、強い味方になるのは間違いありません」と同社関係者は説明する。

すでに東京の地下鉄銀座線の工事で使われ、大好評だったという。価格は670万円。2020年の東京オリンピックに向け、これからさまざまなところで工事が進むと言われているだけに、同社ではバッテリートラックの需要はますます増えると期待している。

建設資材展2017は19〜21日に東京ビッグサイトで開催。主催は一般社団法人日本能率協会。