2017 スーパー耐久第4戦オートポリス《撮影 益田和久》

2017年のスーパー耐久第4戦が15・16日に大分県のオートポリスで開催され、ST-XクラスはNo.8ARN Ferrari 488 GT3 (永井宏明/佐々木孝太)が初優勝を飾った。

予選・決勝ともに晴天となり、真夏のコンディションとなった第4戦。レース前には九州北部を襲った豪雨災害で犠牲になられた方々へ黙とうが捧げられた。

予選ポールポジションは4戦連続で8号車のARNフェラーリ。スタートではNo.1スリーボンド日産自動車大学校に先行されるものの、スタートドライバーを務めた永井が必死で食らいつき、1号車の独走を許さなかった。

60kgとクラスでは一番重いハンデを背負いながらトップを死守していた1号車だったが、スタートから1時間を経過したところシフトアップができないトラブルが発生。パーツ交換の作業を余儀なくされ、前回の鈴鹿に続いて優勝争いから脱落してしまう。

これでトップに立った8号車フェラーリは佐々木が好ペースで周回を重ね、2番手のNo.99Y’distraction GTNET GT-Rに一時35秒以上のリードを築いた。

残り1時間10分のところで、8号車フェラーリは2回目のピットストップを行い、再び永井がコックピットへ。佐々木が築いた大量リードを守りたいところだったが、暑さ対策で導入していた「クールスーツ」が故障。永井は灼熱のコックピットで最終スティントの走行を強いられ、前半ほどのような力強い走りをみせることができなかった。

さらに99号車GT-Rも好ペースで迫り、残り40分を切って、接近戦の争いに。そして80周目の1コーナーで99号車がインに飛び込みトップに浮上した。しかし8号車フェラーリの永井も直後のターン6(第1ヘアピン)で抜き返しトップを奪い返した。

白熱したトップ争いが続くかと思われたが、その直後に99号車の左リアタイヤがバーストし緊急ピットイン。4番手に後退してしまう。また8号車もターン6で追い抜いた際に99号車を外へ押し出すような形で接触してしまっており、その件でドライブスルーペナルティを受けることになる。

これでトップ争いから脱落かと思われたが、後続との差が35秒あったことあり、ペナルティ消化後もトップを死守。そのまま95周を終えたところで3時間が経過しフィニッシュ。チームとして念願の初優勝を飾った。2位にはNo.777 D’station Porsche(星野敏/荒聖治/近藤翼)が入り、No.89HubAuto Ferrari 488 GT3(モーリス・チェン/吉本大樹/坂本祐也)が続いた。

ようやく初勝利を手にした永井は「とにかく嬉しいです。最終スティントではクールスーツが壊れて、暑い中で走っていました。それでもチームがずっと励ましてくれて、集中力を切らさずにいけました」とコメント。

また今回の優勝で一気にランキングトップに浮上。これについて佐々木は「富士に関しては(決勝レースでの)距離が長いので、しっかりと走りきって、最終戦の岡山はフェラーリが得意なところだと思うので、しっかり戦っていきたいです」と語った。

昨年は最終戦を待たずにチャンピオンが決定したST-Xクラスだが、今年は第4戦を終えてトップ5台が16ポイント以内にひしめく大混戦となっている。次回は第5戦が富士スピードウェイで9月1・2日に開催。シリーズ最長の10時間耐久レースというのも注目だが、何よりチャンピオン争いの行方を左右する大事な1戦となるだけに、目が離せないレースとなりそうだ。

2017 スーパー耐久第4戦オートポリス《撮影 益田和久》 2017 スーパー耐久第4戦オートポリス《撮影 益田和久》 2017 スーパー耐久第4戦オートポリス《撮影 益田和久》 2017 スーパー耐久第4戦オートポリス《撮影 益田和久》 2017 スーパー耐久第4戦オートポリス《撮影 益田和久》 2017 スーパー耐久第4戦オートポリス《撮影 益田和久》 2017 スーパー耐久第4戦オートポリス《撮影 益田和久》