事故(イメージ)

警察庁への取材で、飲酒死亡事故のピークが7月であることがわかった。道路交通法改正で飲酒運転に危険運転致死傷罪の適応など厳罰化がスタートした翌年、2010年から2016年までの累計による。

警察庁によると、7年間の飲酒運転による累積事故件数は3万1306件。そのうち飲酒死亡事故は1702件あった。この件数には運転者自身が死亡した第一当事者の事故だけでなく、飲酒運転が加害事故となる第二当事者となった件数も含まれている。

年末に向けて取締りが厳しくなることもあり、飲酒事故は12月のイメージが強い。確かに飲酒事故の約1割にあたる3088件は、12月に起きている。この事故件数と比較すると、7月の事故件数は2684件と、けして多くない。単純月平均2608件をわずかに上回る程度だ。しかし、そのうち死亡事故は、12月の139件に対して、7月は159件。7年間の飲酒死亡事故実数で、最も死亡事故が多い月だった。

死亡事故件数で7月に次いで多いのは、これも意外なことに5月だ。12月のように特に酒席が多くなる時期ではない。5月の飲酒事故件数は2472件と、月平均を大きく下回る。それでも、死亡事故件数は155件あった。死亡事故を事故件数で割った死亡事故率は、年間でも最も高い。

7月、5月に次いで死亡事故が多い月は8月だった。8月の飲酒事故は2519件だったが、死亡事故は146件あった。

この7年間の累積件数から月ごとの推移をみると、飲酒事故は事故総数に比例して死亡事故が増えているわけではないことがわかる。また、酒席の機会が多いから、飲酒運転が増えているわけではなこともわかる。

12月の飲酒死亡事故は、むしろ少ないほうだ。死亡事故が最も少ない月は1月の122件、次いで2月の129件、9月の133件、12月の139件だった。

7月、夏休みが始まる前のこの時期、もう一度、飲んだらハンドルを握らない心構えを強くしたい。

飲酒運転事故件数と死亡事故内数(2010〜2016年累計)