VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》

赤ライン、チェック柄のシート、ゴルフボール型シフトノブ(MT車の場合)。“GTI世代”なので、そうしたアイテムを目にすると、ついホロッときてしまう。

新型GTIも、もちろんそれらは踏襲された。が、赤いラインは、ハニカムグリル(パターンが微妙に新しい)からヘッドランプ各灯個々に跳ね上がって伸びるあしらいに変更。フォグランプ回りを含むバンパー形状も新しい。

初代の赤ライン、ブラックのVWサインは前を行く高性能車にアピールするためのものだったが、今はその必要があるかどうかは別として、変わらずゴルフGTIであることがひと目でわかるルックスだ。ホイールは現代的な切削&黒塗装だ。

インテリアでは、実車で観察すると前席形状(サイドサポート部)の僅かな変更が行なわれている。着座感も座った瞬間よりフィットする印象があったから、クッションなどの見直しが図られているかもしれない。それと遂に液晶メーターがこのGTIにもオプション設定された。またタッチスクリーンも機能が格段に向上し、ジェスチャー操作で、専用アプリを利用しながら手持ちのスマホとの連携も可能に。現代的な装備が盛り込まれた、という訳だ。

走りはどうか? 今回、スペックで見ると2リットルターボの最高出力が+10ps増強された。が、それ以上に注目したいのは、6速DSGの1〜6速のギヤ比の変更(6速MT車は変更なし)。このことは実際に走らせて見ると、各段の気持ちのいい伸びのよさで実感できた。個人的には“ゴルフ2”に最初に設定されたGTI(SOHC版)の爽快だった走りを連想した次第。乗り味もしっとり、しっかりとしたもので、実用になりつつ、然るべき場面でスポーツドライビングが堪能できる、GTIらしい仕上がりぶりだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》 VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》 VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》 VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》 VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》 VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》 VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》 VW ゴルフGTI 6速DSG《撮影 島崎七生人》