ポールポジションを獲得した#1 国本。《撮影 遠藤俊幸》

8日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第3戦の公式予選が静岡県の富士スピードウェイで実施され、前年のチャンピオンである国本雄資がトップフォーミュラのシリーズ戦における自身初ポールポジションを獲得した。セルモインギング勢が1-2。

路面コンディションは金曜フリー走行が行なわれた前日に続いてドライ。この日は熱暑の一日となり、朝9時10分からの土曜フリー走行開始直後の時点で気温28度、路温38度。午後2時30分スタートの3段階ノックアウト予選は(Q1開始時)気温32度、路温は49度という状況での戦いとなった。

そのなかでQ1〜Q2〜Q3と3セッション連続トップでポールポジションを獲得したのが、昨季シリーズ王者の#1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)。Q3では1分23秒044をマークし、僚友の#2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)を0.063秒差に下して、全日本トップフォーミュラのシリーズ戦では自身初のポール獲得となった。

「初ポールが獲れて安心しました。ホッとしています」と国本。チャンピオン経験者ながらシリーズ戦でのポール獲得がなかったことに起因する、実に素直な心情である。「Q1、Q2とずっと(マシンの)調子は良かったです。もうちょっと合わせこみたいところもあったんですけど、結果的に今日は自分が一番速かったですね。Q3でもうまくアタックできました。しっかり集中して、自分の力を出しきれたと思います」。

僅差ながらも“絶好調ポール奪取劇”を演じた国本。ただ、朝のフリー走行では「マシンが思ったバランスではなかったんです」。でも、「エンジニアが自分の求めることを(セッティングで)再現してくれました。予選ではマシンと自分を信じて、うまくドライビングできたと思います」。この勢いで、国本は今季初勝利を狙う。

(*国本はかつて富士で開催されていたシリーズ外の大会でSFのポールポジションを獲得した経験がある)

2位は#2 石浦で、セルモインギングが予選1-2。そして2レース制だった前戦岡山のレース2優勝者で、ワンメイクタイヤがヨコハマ製になった昨季以降では初の(ヨコハマで初の)個人2連勝を目指す#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)が3位につけた。4位は開幕戦ウイナーの#37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)。

予選5〜8位には、チーム無限と近藤真彦監督率いるKONDO RACINGの4台が並んだ。トヨタ勢優位だった予選の展開のなか、ホンダ勢ではチーム無限が2台揃ってQ3進出と気を吐いている。5〜8位の順位は以下の通り。

5位 #16 山本尚貴(TEAM MUGEN/ホンダ)
6位 #4 山下健太(KONDO RACING/トヨタ)
7位 #3 N.キャシディ(KONDO RACING/トヨタ)
8位 #15 P.ガスリー(TEAM MUGEN/ホンダ)

Q2では波乱もあった。残り1分のタイミングで#18 小林可夢偉(KCMG/トヨタ)がスピンを喫してマシンストップ、赤旗中断で残り3分からの仕切り直しとなったのである。これによる運、不運も交錯し、第2戦岡山のレース1優勝者で現在ポイントリーダーの#36 A.ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)がQ2落ち、予選12位にとどまる結果となっている。#18 可夢偉は予選14位。

明日の決勝レースは55周/約250kmの戦い。比較的抜けるコースといえる富士だけに、Q1では全19台がキッカリ1秒以内におさまっていたという激戦ぶりから見ても、好レースとなる可能性は高そうだ。あるいは好調国本が予選同様の完璧な“僅差逃げきり勝ち”を演じるのだろうか。

SF第3戦富士、決勝レースは9日午後2時10分開始予定となっている。

左から予選2位の石浦、ポールの国本、3位の関口。《撮影 遠藤俊幸》 #1 国本雄資はQ1〜Q3をオールトップタイムでのポール獲得。《撮影 遠藤俊幸》 予選2位の#2 石浦宏明。《撮影 遠藤俊幸》 予選3位の#19 関口雄飛。《撮影 遠藤俊幸》 予選4位の#37 中嶋一貴。《撮影 遠藤俊幸》 予選5位の#16 山本尚貴。《撮影 遠藤俊幸》 予選6位の#4 山下健太。《撮影 遠藤俊幸》