日産エクストレイル 20X《撮影 宮崎壮人》

近ごろはクラスを問わずSUVが高人気だ。そんな中『エクストレイル』は、“タフ・ギヤ”をずっと自称してきただけあり、なるほど試乗してみると、ライバル車とはひと味違う“奥行きのある乗り味”が実感できる。

とくにガソリン車に、そのことを強く感じた。遠く『テラノ』『ミストラル』など日産の名4WDを思い出させる、のである。その頃の『サファリ』なども手がけていた、エンジニアの中でもオフロードのエキスパートたちのインタビューでお会いした際の笑顔が思い浮かんだ…といったら感傷的すぎるだろうか?

試乗車は「20X」。2リットルのガソリンエンジンを搭載する4WDモデルである。ハイブリッドとは搭載エンジンは共通で、2列シート車で較べると車重はちょうど100kg軽い。が、何よりいいと思えたのは、言葉で表現すると安心、安定、堅牢といったSUVに期待したい性能がキチンと体現されていること。撮影のため河原に乗り入れた際も、ボディは少しも音を上げずシッカリしているし、サスペンションも入力をキチンと受け止めてくれる。

一方で舗装道では自然な感触のステアリングフィールに好感がもてた。ハイブリッド車は燃費を意識したタイヤ空気圧(タイヤサイズも違っていた)のため、ステアリングの操舵力がやや軽めに感じるが、ガソリン車はステアリングの重さ、反力がしっとりと感じられるのがいい。そのせいもあってか「プロパイロット」の各種機能、作動も全般により自然に感じられた。

濡れても平気な床、シート、フロアなど、相変わらずコテンパンに使える仕様なのも嬉しい。2列目シートにスライドとリクライニング機構が備わり利便性も高まった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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