ベトナムのダナン市(イメージ)画像:トヨタ・モビリティ基金

トヨタ自動車は6月30日、一般財団法人のトヨタ・モビリティ基金(TMF)が助成するベトナムのダナン市での交通渋滞多様化プロジェクトのオープニングセレモニーを開催し、TMFバス(市内循環バス)の運行とパーク&ライドシステムの運用を開始した、と発表した。

TMFは、2014年8月の設立以来、豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消に貢献することを目的に、タイやインドでの交通手段の多様化や、日本の中山間地域における移動の不自由を解消するためのプロジェクトに助成。世界のモビリティ分野における課題に取り組んでいる。

ダナン市はベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーを結ぶ「インドシナ東西経済回廊」の玄関口に位置。急激な人口の増加と経済成長により、モータリゼーションが進展。バイクや自動車の登録数が、この5年で約40%増え、将来は渋滞が深刻化することが懸念されている。

TMFの2019年3月までのプロジェクトでは、ダナン市人民委員会を助成先とし、自家用車、バイク、公共交通機関を併用した交通手段の多様化によって、市民の移動手段に関する行動様式の変容を促し、渋滞の深刻化を未然に防ぐことを目指す。助成総額は約290万ドル(約3億2000万円)。

トヨタ自動車は、「今後も、トヨタの技術・安全・環境に関する専門知識を活用しながら、大学や政府、NPOや調査研究機関などと連携し、都市部の交通課題の解消、パーソナルモビリティ活用の拡大、次世代モビリティ開発に資する研究などの取り組みを、さらに拡大していく」と述べている。