そのままでもドラレコとしても利用できる≪撮影:中尾真二≫

AI・人工知能EXPOでは、直接車載システムや自動運転のためのAIを展示しているところは少ないが、自動車への応用が可能な展示はいくつか発見することができる。PLENGoerRoboticsというベンチャー企業のキューブ型エージェントもそのひとつだ。

PLEN Cubeと呼ばれる小さい箱は、上下2分割で、上半分がモーション制御で動くようになっている。可動部分には小型カメラとディスプレイが搭載されている。これ自体はプログラムすればいかようにも動かせるキューブ型ロボットだが、Wi-Fi等でクラウドに接続すれば、AIエージェントとして各種人工知能の目・耳・口となる。

本体にはフェイストラッキング機能や基本的な音声認識AIなどが内蔵され、ジェスチャーでカメラを起動したりできる。ちょっとした接客、監視カメラ、アクションカメラ、コミュニケーション、家電制御などにさまざまな用途に使えるようになっている。クラウドファンディングで最初の目標額をクリアし、2018年夏までに販売を開始すべく製品化を進めている。さらに資金が集まれば、カラーバリエーションも増やす予定でいる。

PLEN Cubeは、Bluetoothや赤外線リモコンも内蔵しているといい、家電製品のインテリジェントリモコンとしても使えるという。IFTTTというWebサービス連携サービスを利用すれば、カメラで撮影した動画や画像をSNSにアップしたり、データを保存したり、家電の操作もできるそうだ。自動車関係の応用では、ドライブレコーダーとしての使い道があるそうだ。本体はそのままダッシュボードに固定するだけだ。

PLEN Cube単体での利用は、いまのところ以上だが、対応するアプリを開発すれば、さまざまな機器、サービスのインターフェイスとなる。カーナビメーカーや自動車メーカーとの協業が実現すれば、コネクテッドカーの操作インターフェイス、AIエージェントとしての利用が考えられる。

ドラレコの応用でも、上半分を回転させて車内や後方も録画するようにもできるかもしれない。Amazonでもスピーカーとマイクを内蔵した円筒形のEcho(デバイス)が、AIとの対話の重要な役割を担っている。コネクテッドカーのAIエージェントも、コンソールやダッシュボードのとの「対話」より、このような小さい箱があるだけで、新しい操作体験となる。車載製品との連携も期待したいところだ。

ドラレコの操作、カーナビやIVI機器の操作、音楽や天気予報、情報検索など、PLEN Cubeのような持ち運び可能なエージェントデバイスが操作してくれると、運転も楽しくなるのではないだろうか。

小型IoTロボットだが、車載システムの応用を期待したい≪撮影:中尾真二≫ AI・人工知能EXPO≪撮影:中尾真二≫ PLEGoer Roboticsのブース≪撮影:中尾真二≫