8月1日より発売されるスタッドレスタイヤ「MICHELIN X-ICE3+」《撮影 会田肇》

日本ミシュランタイヤが6月26日に発表した新スタッドレスタイヤ「MICHELIN X-ICE3+」は、摩耗時のアイスブレーキ性能を向上させたのが最大の特徴。記者会見では発表が一通り終わると、その“秘密”を知りたいとする質問が数多く出た。

MICHELIN X-ICE3+は、従来技術の「トリプル・エフェクト・ブロック」「マックスタッチ」「バリアブルアングルサイプ」に加え、表面再生ゴムに氷上の水を吸い上げる「Mチップ」と呼ばれる新技術を含んだ。これにより、摩耗が進んでも次々とMチップがその役割を果たすため、アイスバーンでのブレーキ性能が長期間にわたって続くとしている。

注目は、そのMチップとは何なのか。日本ミシュラン マーケティング部ブランド戦略マネージャーの望月一郎氏も「ここに多くの質問をいただくと予想していた」と明かすように、会場にいた人の大半はそこに関心があったはずだ。しかし、そのチップそのものについては「企業秘密で答えられない」とした。ただ、「コスメ系製品にも使われるほど人体には無害なもので、環境にも影響は全くない素材」(望月氏)ではあるという。

また、Mチップが加えられたことによる乗り心地や耐摩耗性、ノイズへの影響はないのかとの質問には、「いずれの性能も従来のX-ICE3レベルには到達しており、マイナス面はまったくないと考えている」(望月氏)と回答。夏季期間中の保存手段についても「直射日光を避けた低温保管が望ましいが、これまでのスタッドレスタイヤと同様に取扱で構わない」とした。

「X-ICE3」に続く製品がどうして“ICE4”とはならず“+”を加える形にしたのかとの質問については、「現在でもX-ICE3が販売が好調である上に、トレッドパターンを変えずに性能アップを図ったため」(望月氏)という。タイヤサイズのラインナップを15インチ〜18インチの計15サイズに限定したのは想定車種があってのことかとの質問には「市場で多く売れている車種を念頭に置いている」(マーケティング担当者)との回答のみとどめた。

なお、「MICHELIN X-ICE3+(ミシュラン エックスアイス スリープラス)」は8月1日より発売され、すべてがオープンプライスとなるが「従来品と同じ価格帯で販売される見込み」(望月氏)。生産地と販売エリアについては「中国で生産され、日本と中国だけの限定販売となる」(望月氏)とのことだった。

新宿タワーパーク(東京都新宿区)で開催された「MICHELIN X-ICE3+」発表会《撮影 会田肇》 発表会で記念写真に応じる日本ミシュランタイヤ代表取締役社長ポール・ペリニオ氏(右)《撮影 会田肇》 発表に先立って挨拶する日本ミシュランタイヤ代表取締役社長ポール・ペリニオ氏《撮影 会田肇》 「MICHELIN X-ICE3+」について説明したマーケティング部ブランド戦略マネージャー望月一郎氏《撮影 会田肇》 新品時のアイスブレーキング性能は旧製品に比べて4.5%の改善《撮影 会田肇》 驚きなのは摩耗時のアイスブレーキング性能で、11.5%もの改善が図れたという《撮影 会田肇》 表面再生ゴム内にある「Mチップ」は表面に出ると溶け、氷の表面にある水分を除去でき、これが繰り返されることで摩耗してもアイスブレーキング性能が維持される《撮影 会田肇》 摩耗後の溝の変化が少ないコンパウンドを使用し、永くアイスブレーキング性能が維持できるのだという《撮影 会田肇》 商用車(ハイエース/キャラバン等)を対象に発売される「AGILIS X-ICE」も同時に発表された《撮影 会田肇》 発表会場には、1982年以来発売されてきた歴代のスタッドレスタイヤが並べられた《撮影 会田肇》