日産自動車の株主総会

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2017年6月28日付

●グーグルに制裁3000億円、検索結果「自社を優遇」欧州委(読売・1面)

●軽井沢バス事故書類送検、業過致死傷容疑など、運転手と社長ら(読売・1面)

●露・欧サイバー攻撃、身代金ウィルス、銀行や空港被害(読売・2面)

●タカタ株主不満噴出株主総会「中途半端な幕引き」(読売・8面)

●料金払うとおすすめ上位、ヤフー通販サイト、広告とは示さず(朝日・1面)

●報酬10億9800万円、日産ゴーン会長、開示以降最高(毎日・6面)

●三菱自CEO再任賛成83%(毎日・6面)

●中国に時速400キロ鉄道「復興号」(産経・8面)

●稲田防衛相都議選応援「自衛隊としてお願い」発言撤回辞任は否定(東京・1面)

●アマゾン、国内1兆円超、小売り大手、半数減収、16年度本社調査(日経・1面)

●社説、給油所の過疎対策を計画的に(日経・2面)

●EPA大枠合意へ交渉、車・チーズ日欧攻防(日経・3面)

●米車販売金融から逆風、ローン焦げ付き急増、リース終えた中古車流入(日経・9面)

●米エヌビディアとボルボ、自動運転車、21年発売(日経・15面)

●全タク連会長に川鍋氏、日本交通会長(日経・16面)

●先読みビジネス天気、自動車、米中減速感SUVカギ(日経・17面)

●五輪ナンバー5案公表、国交省が来月選定(日経・38面)


ひとくちコメント

3月期決算企業の株主総会がピークを迎えつつあるが、昨日(6月27日)は自動車関連では1兆円を超える負債を抱えて経営破たんしたエアバッグメーカーのタカタと日産自動車などの株主総会が開かれた。

このうち、タカタの総会では「タカタ株主不満噴出」(読売)や「『タカタ会長逃げていた』破たん翌日の総会株主不満続出」(産経)などと、きょうの各紙のタイトルからもわかるように、出席した株主からは経営陣の責任を厳しく問う声が多く聞かれたという。

一方、横浜市のグローバル本社近くのイベントホールで開かれた日産自動車の株主総会では「ゴーン会長も西川CEOも頑張って日産の業績を伸ばしているので高く評価する」などと、経営陣に対する不満の声は聞こえてこなかった。

また、3年連続で過去最高の10億円を超えたカルロス・ゴーン会長の高額の役員報酬についても会場内からの質問で異論を唱えた株主はなく、過去の総会でよく飛び出していた「もらい過ぎ」とか「賞味期限切れ」といった批判の声も出なかった。

日産はゴーン体制になってから株主総会の会場内にメディア関係者の入場を許可しているため、毎年のように取材しているが、今年の総会のように厳しい質問よりも前向きな意見や提案も多く出るなど、所要時間の1時間45分を平穏のまま終了したというのはこれまで記憶にない。メティアの注目のマトでもあった日産の株主総会が様変わりしたという印象を受けた。

それもそのはずである。日産は、2017年度の1株当たりの年間配当金を5円増配して53円に引き上げる見通しであり、配当性向(38.8%)は、全上場企業の中でもトップクラス。高配当を維持し続ける限りでは株主も満足げであり、ゴーン・西川新体制もしばらく安泰ということにもなりそうだ。

日産自動車の株主総会