八王子市、立川市、府中市、日野市、国立市、相模原市が自転車競技コースの要望書を東京都へ提出した

甲州街道、道志みち、厚木街道……東京と富士を結ぶ道はいろいろあるが、東京2020五輪のロードレースは、どこを走るか?

八王子市 石森孝志市長、日野市 大坪冬彦市長、立川市 清水庄平市長、国立市 永見理夫市長、府中市 高野律雄市長、相模原市 加山俊夫市長は6月26日、東京都と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会( 森喜朗会長)あてに、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における自転車競技(ロード・レース)コースの誘致に関する要望書」を6市合同で提出した。

東京2020大会のロードレースは、2015年12月のIOC理事会で「皇居外苑をスタート・ゴールとする」という内容で承認され、コース選定がすすめられてきたが、ことし5月に国際自転車連合の要望で「都内をスタートし、富士スピードウェイ(静岡県小山町)をゴールとする案も含めて検討されている」と報じられた。

6市が期待するロードレースルートは、甲州街道の沿道5市(八王子・日野・立川・国立・府中)と相模原市を経由する道。要望書には、甲州街道や高尾街道で行われた1964年東京五輪のコースをレガシーと位置づけ、6市を通るルートを推した。

「多摩地域は、1964年東京オリンピックの自転車競技会場となり、今なおオリンピック・レガシーが市民の間で引き継がれている地域。また、多摩西部と神奈川県西部地域は、豊かな自然と適度な起伏を有することから、近年自転車の聖地として愛好家が集う地域に。この地域は、起伏のあるコース設定を可能とし、競技性を一層高めることができることから、アスリートファーストの観点からもロード・レース会場として適地」(6市)

◆稲城市はヒルクライムなどを訴求ワードに

こうした6市の要望があるいっぽうで、稲城市は昨年春、当時の舛添要一都知事に、市内を通るコースにという要望書を渡している。

「稲城市内の多摩丘陵を通る公道には、尾根幹線に代表されるような、見晴らしが良く適度にアップダウンのある道や、川崎街道の通称連光寺坂や、ヒルクライムに挑戦できるよみうりV通りなど、多彩な道があり、連日多くの自転車愛好家が訪れ、自転車競技に最適な地理的環境にある」

「自転車競技(ロード・レース)のコースが市内を通った暁には、コースを示すモニュメントをはじめとした、カフェやシャワー、更衣室、自転車販売スペース等を備えた自転車愛好家の集まる拠点『サイクルステーション』を後世に残る記念碑として整備したい」

「都心からのアクセスも良く、かつ緑豊かな丘陵地帯である稲城市が、競技の繰り広げられた実績を偉大な歴史に加え、市民にとどまらぬ多くの自動車愛好家から愛される「自転車の街」として発展していくことを希望する」(稲城市)

◆どんな起伏と曲線、歓声をつくるか

「今後もさまざまな観点からコースを選定していく」と都や五輪組織委員会は伝えているが、果たして、男子280km・女子140kmの道はどんな起伏と曲線を描き、どのような景色をつくるか。

以下は、6市が提出した「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における自転車競技(ロード・レース)コースの誘致に関する要望書」の抜粋だ。

「多摩地域は、1964年に開始された東京オリンピックの自転車競技(トラック・レース及びロード・レース)の会場となった地域であり、特にロード・レースの周回コースとして各国のオリンピアンが駆け抜けた、甲州街道や高尾街道は、地元では『オリンピック道路』の名で親しまれ、今なおオリンピック・レガシーが残っている地域です」

「また、スポーツ祭東京2013においても多摩地域がロード・レース会場となるなど、多摩地域は、豊かな自然を有し、適度な起伏があることから、昨今自転車の聖地として多くの愛好家が集う地域でもあります。加えて、多摩地域に隣接する神奈川県西部は山岳地帯を有し、ロード・レースの競技性を一層高めるものと考えております」

「つきましては、東京2020大会における自転車競技(ロード・レース)のコース決定にあたりましては、1964年のオリンピック・レガシーである多摩地域の甲州街道沿道5市及び相模原市を経由したプランをご検討いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」