日産自動車 カルロス・ゴーン 会長《撮影 小松哲也》

日産自動車のカルロス・ゴーン会長は6月27日に横浜市内で開いた株主総会で、2016年度に同社が自身に支払った報酬額が10億9800万円だったことを明らかにした。報酬額の開示を始めた2009年度以降の最高額で、前年度に対しては2700万円のアップとなる。

ゴーン会長は「2016年度の私の報酬額は10億9800万円で2015年度から2.5%増加した。米ドルに換算すると990万ドルだった」と述べた。

さらに「2016年のベンチマーク比較調査によると、当社に匹敵するグローバル自動車メーカーの最高経営責任者(CEO)の平均報酬額は1770万ドルだった。最も報酬が高かった世界の自動車業界のCEOの報酬額は2950万ドルだった。また調査の対象となったすべての企業のCEOの報酬額の中央値は1600万ドルだった」と付け加えた。

また「2016年度には私を含め取締役4名の報酬が1億円を超えた」とする一方で、「2016年度に支払われた役員報酬の総額は19億5000万円で役員報酬の年間上限額を35%下回った」ことも明かした。

日産の年間役員報酬総額は29億9000万円が上限になっている。ちなみに2015年度に1億円を超える報酬が支払われた取締役はゴーン氏を含め2名だった。

その上でゴーン会長は「日産は上層部に対し競争力のある報酬を支払っていると同時に財務規律を徹底していることを意味する。当社の経営陣は競合他社も獲得を狙っており、当社は競争力のある報酬を維持することで優秀な人材をつなぎ留めなくてはならない」と述べて、株主に理解を求めた。

株主総会ではこのほか国内生産100万台を維持できるかとの株主からの質問に対し、西川廣人社長兼CEOは「中期的に、あるいは将来、日産のモノ造りを支えるという意味で絶対必要条件だと思っているので、この方針は全く変わっていない」と応じた。

さらに西川社長は「今年度も含めて実際には少しずつ増えていくとみている。100万台生産は揺るぎないものと思って頂いて結構」としながらも、「その構成は輸出向けの生産が多くなってしまっている」ことも明かした。

このため西川社長は「国内で造って国内で売る部分を50%以上というのが、やはり中期的見ると健全な形だと思っている。そういう意味では国内の販売を増やすことがある意味で至上命題。日産の持っているポテンシャルとしては、やはり(国内販売で)明確な2番手にならない方がおかしいと思っているので、そこはその方向で進めたい」と強調した。

日産自動車 株主総会会場に入る株主《撮影 小松哲也》 2016年開催の日産自動車株主総会(参考映像)《提供 日産自動車》 日産自動車 第118回株主総会《提供 日産自動車》 日産自動車 第118回株主総会《提供 日産自動車》 日産自動車 第118回株主総会 で発言する西川廣人社長《提供 日産自動車》