会見を行う地震火山部・松森敏幸地震津波監視課長(25日・大手町)《撮影 中島みなみ》

25日7時02分、長野県南部で最大震度5強の強い揺れを伴う地震が発生した。震源の深さは7km。地震の強さを示すマグニチュードはM5.7(いずれも暫定値)。

地震の始まった場所である震央は木曽町と大滝村の境界付近の木曽町側。震度5強・5弱を観測したのは長野県大滝村と木曽町。震度4を長野県上松町、大桑村、石川県輪島市、岐阜県高山市、中津川市、下呂市など。甲信越地方から四国地方までの広い範囲で震度3〜1を観測した。また、震度1以上の余震は、発生から約90分間で9回、最大震度2が2回、同1が7回(8時30分現在)あった。

気象庁は同日9時に会見を開いて、注意を呼び掛けた。「津波の心配はないが、揺れの強い地域では地盤のゆるみがあるかもしれない。雨も多く、落石や崖崩れに注意。大地震発生後に同程度の地震が発生した割合は1〜2割ある。今後1週間程度は最大震度5強程度の地震に注意が必要」(地震火山部・松森敏幸地震津波監視課長)。

長野県では1984年9月14日、M6.4の長野県西部地震が起きた。気象台観測で最大震度4だったが、大規模な山崩れが起きている。松森氏は「長野県西部地震は活動域ではある」としたが「ここ20年ほどでみると、周辺の事故は今回の地震が最大規模。特に活動が活発という認識はない」との見解を示した。

さらに、付近の主要な活断層である境峠・神谷断層帯、木曽山脈西縁断層帯との関係については次のように述べた。「前者は20km弱、後者は10km強離れている。地震防災としては注意が必要だが、直接的に活断層帯が活動しているとは考えられない」。

この地震で、東海道新幹線は地震と同時刻に新横浜駅〜掛川駅間で運行が止まった。安全を確認後、まもなく再開した。