阪神ライディングスクール

7月30日に決勝レースを迎える“コカ・コーラ”鈴鹿8耐。この大会にスポットエントリーするためには前年大会での一定の成績が必要で、これに満たないチームは8耐トライアウトを通過する必要がある。

そのトライアウトの1stステージが鈴鹿2&4レースで、2ndステージがSUGO120マイルレース、そしてファイナルステージが5月21日の鈴鹿サンデーロードレースだった。そして注目を集める伊藤真一のTeam SuP DREAM Hondaは2ndステージで、そして高橋裕紀と清成龍一を擁するMORIWAKI MOTUL RACINGはファイナルステージでトライアウト通過となった。

さて、トライアウトの1stステージで参戦権を得たチームのなかに、かつて全日本ロードレースや鈴鹿8耐で主力チームの一角を形成した阪神ライディングスクールがある。鈴鹿2&4レースではライダー西島修が単独出走してのトライアウト通過となったが、来る“コカ・コーラ”鈴鹿8耐では、昨年までTeam GREENに所属して全日本JSB1000を戦い、鈴鹿8耐では2位となった柳川明が加わることになった。

「参戦クラスはEWCではなくSSTなので、総合優勝を狙うものではなく、しっかりとマシンをまとめてクラス優勝を狙っていきます。ただ、1台でも多くEWCチームを打ち負かしたいとは思っています」

昨年は、カワサキの直系チームでの戦いだったが、今年は完全なプライベート。となれば戦略も当然変わってくる。

「戦略というよりも、自分の気持ちをどれだけ抑えられるかだと思います。SSTマシンだと、ファクトリー系EWCマシンよりもパフォーマンスは劣るわけで、しっかりと気持ちを切り替えて臨まないといけません。それと、プライベートチームなので、できることにも限界があるので、その辺も見極めないと」

カワサキが主宰するスクールの講師を務める柳川と西嶋。同じ福岡県人であり、気心も知れている。

「まさかチーム阪神ライディングスクールが復活するとは思っていなかったし、まさかそこで自分が鈴鹿8耐を走るとは思っていなかった。本当にまさかの連続だけれど、今年は一歩引いたところから鈴鹿8耐を見ることができると思っています。でも、レースが始まれば、目の前にだれかがいたら、それがたとえファクトリー系EWCチームだとしても抜きたくなるだろうし、その努力をしてしまう気がして怖いんです。我々はSSTクラスだし、ブレーキもノーマルですから、変な気を起こさないようにしないとチームに迷惑をかける結果になってしまう」

事前テストは鈴鹿サーキットでの合同テストのみであり、この辺にもプライベートチームの苦しさがあるが、どれだけ短時間でマシンをまとめられるかはベテランライダーの腕の見せどころでもある。今年の柳川の戦いは、我々も一歩引いた形で気軽に応援できそうだ。