3D都市モデルデータ《撮影 佐藤耕一》

地図大手のゼンリンは、21日から23日まで都内で開催されている「日本ものづくりワールド / 3D&バーチャル リアリティ展」に出展し、3D地図データの活用事例について展示している。カーナビ用に収集していたリアルな3D地図データの資産を他のビジネスに活用したものだ。

これは「3D都市モデルデータ」と呼ばれ、景観や建物の見た目も含め、正確に再現していることが特徴で、ドライブシミュレーションなどで利用されるものだという。「新型車を開発するときなどに、街の景観の中に新しいデザインの車両を置いてみて、実際にどう見えるかを評価するために利用されています」と担当者は説明する。またそのほか、「トラックの開発をする際に、片側一車線などの道路でトラックがスムーズに走れるかを評価するケースもありました。」


このデータはもともと、「ゼンリンの子会社であるジオ技術研究所が製作したもので、カーナビのガイダンスに利用するリアルな3D表示用のデータとして作られたものですが、2013年ごろから、このデータをCADでも使える汎用的なFBX形式のフォーマットとし、他の用途への展開を始めました」とのことだ。

またゼンリンならではの特徴として、ネットワークデータも提供可能な点が挙げられる。3D都市モデルデータの道路形状に合わせた「3D誘導ネットワークデータ」を組み合わせることで、スムーズなドライビングシミュレーションが可能だとする。

主な販売先としては「自動車メーカーがメインです。新車開発の時に利用いただくケースが多いです」とのことだ。

新型車のデザインを都市の景観のなかで評価する際のイメージ。都市景観がリアルに再現されている。《撮影 佐藤耕一》 ゼンリンブースの様子。《撮影 佐藤耕一》