遠隔地3D車両情報共有システム(イメージ)

電通国際情報サービス(ISID)は6月20日、トヨタ自動車向けに、VR技術を用いて遠隔地間で3D車両情報を共有するシステムのプロトタイプを開発したと発表した。

近年、車両機能の高度化・複雑化に伴い、新車の市場投入等に際して、その特長や構造を関係者間で共有するための教育は、より重要なテーマとなっている。特にグローバルかつ多数の拠点を持つ場合、コストと時間削減のため、効率的かつ効果的に教育を行える環境が求められている。トヨタは世界各地の拠点スタッフが、いち早く新技術を仮想体験することで商品への理解を深め、サービス向上につなげることを目的に、同システムのプロトタイプ開発を決定し、ISIDをパートナーに選定した。

同システムは、車両の3D設計データを、VR技術を用いて実物大のリアルな3D画像としてヘッドマウントディスプレイ上に再現。遠隔地にいる複数のユーザーが、同じ空間で1台の車両を眺めているかのような仮想環境を提供する。車両の精緻な3D画像に加え、機構のアニメーション表示、モデルと視点の自由な移動、指示箇所へのマークの付与、ドキュメントの閲覧、音声会話、アバター表示といった機能を持ち、視覚的かつ効率的なコミュニケーション手段を提供する。

ISIDとトヨタは、今回開発したプロトタイプをベースに、ユーザーの意見・要望を集めてさらなる改善を図り、2017年度中にトヨタの複数拠点において実証試験を行う計画だ。なお、同システムは6月21日から23日に東京ビッグサイトで開催される3D&バーチャル リアリティ展(IVR)で展示される。