神電六で1-2フィニッシュを飾ったチーム無限。右から2位のガイ・マーティン選手、優勝のブルース・アンスティ選手、3位のデーリー・マシスン選手《提供 M-TEC》

マン島TTゼロチャレンジクラスで、チーム無限(TEAM MUGEN)は今年も1-2フィニッシュを飾った(9日)。直前に出場予定のジョン・マクギネス選手が交代。荒れる天候と困難を乗り越えて、世界最速の電動レーサーの地位を守った。

マクギネス選手に代わり、急きょ参加を表明したブルース・アンスティ選手が優勝。アンスティ選手は昨年に続き、2連勝を飾った。アンスティ選手に代わり出場を決めていたガイ・マーティン選手が、これに続いた。チーム無限は、2015年以来の2回目の1-2フィニッシュという快挙だ。

TTマウンテンコースで9日に開催された結果は以下の通り。
1位 #1 Bruce Anstey 19分13秒924 時速117.710マイル(時速189.4km/h)
 2位 #2 Guy Martin 19分55秒331 時速113.6312マイル(時速182.9km/h)

優勝したアンスティ選手は、歓びを語るかと思いきや、最速の電動レーサーの記録を更新できなかったことに悔しさをにじませた。

「マシンは昨年に比べてアップデートされているので、平均速度120mph以上を目標として走っ。しかしながら、今回のコースコンディションは大変に難しく達成する事ができなかった」

ただ、同時に「自分としては100%の走りで挑んだので十分に満足。昨年に引き続き2連勝、大変に光栄です。ありがとうございました」と、実感を語った。

初めて電動レーサーを操ったガイ・マーティン選手は、さっそく来年の抱負を口にした。

「来年、このプロジェクトが有るのであれば是非共走りたいですね。事前の走り込みも行えば、もっとスピードを上げる自信があります。今回は多くのファンに応援頂きました。ありがとうございました」

今回のマン島は、急な降雨など天候に恵まれなかった。CO2排出ゼロのマシンで競うゼロ・チャレンジは、事実上の電動マシンレースだ。降雨の場合は練習走行だけでなく決勝も休止となる。その困難についてマーティン選手はこう語った。

「今回は天候に恵まれず、このマシンで2周しか回っていない。そんな中、2位入賞は本当に嬉しい」

宮田明広監督は「4連勝を達成する事ができたのも、日頃より応援頂いている皆様のお陰です。改めて御礼申し上げます」と話しつつ、今回のレースをこう振り返った。

「今大会は天候的にも厳しく、2人のライダーで事前テストをトータル5Lapという状況でのデータ取りとなった。結果的には厳しいコースコンディションと細かな部分でのパワーマネージメントについて詰め切れず、ジョン・マクギネス選手が一昨年記録した平均速度記録を更新する事ができませんでした」

セロ・チャレンジのコースレコードは2015年にマクギネス選手が神電参で記録した時速119.279マイル  18分58秒743だ。チーム無限はマシンを毎年更新し、今年もこの記録更新に挑んだ。来年はどうなるのか。宮田氏はこう語った。

「来期に関しては未定ですが、技術チャレンジの場として邁進して参りますので、引き続き宜しく応援お願い申し上げます。ご声援、ありがとうございました」

神電六で優勝したチーム無限のブルース・アンスティ選手《提供 M-TEC》 2連続優勝を飾ったブルース・アンスティ選手《提供 M-TEC》