パテント・リザルトは6月16日、独自に分類した自動車部品業界の企業を対象に、2016年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2016」をまとめた。
この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。集計の結果、2016年に最も引用された企業は、デンソーの5648件、次いで住友電装の1063件、矢崎総業の1018件だった。
1位デンソーの最も引用された特許は、「内燃機関用の点火装置」に関する特許や「画像認識装置」に関する特許が挙げられる。「内燃機関用の点火装置」はイマジニアリングの6件に、「画像認識装置」はNECの5件、木村説男氏(個人)の1件に審査の過程で拒絶理由としてそれぞれ引用されている。このほかには「道路上の潜在的危険地点を検出する通知装置」に関する特許などが引用件数の多い特許として挙げられる。2016年に、デンソーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(415件)、次いで三菱電機(353件)、日立オートモティブシステムズ(183件)と続いている。
2位住友電装の最も引用された特許は、「立体的なワイヤハーネス形成方法」に関する特許で、後発の特許13件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この13件はいずれも矢崎総業の特許となっている。このほかには「自動車用アース端子と電線の防水接続構造」などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2016年に、住友電装の特許によって影響を受けた件数が多い企業は矢崎総業(303件)、デンソー(42件)、トヨタ自動車(39件)となっている。
3位矢崎総業の最も引用された特許は、「車載機器用電流センサ」に関する特許で、後発の特許11件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には日東工業の9件をはじめ、日立製作所と豊田自動織機がそれぞれ1件となっている。このほかには「ガスメーターの警報通報装置」に関する特許や、「アルミニウム合金電線との圧着接続に適した圧着端子」に関する特許などが引用件数の多い特許として挙げられる。2016年に、矢崎総業の特許によって影響を受けた件数が多い企業は住友電工グループ、デンソーのほか、トヨタ自動車、古河電工グループ、パナソニックなどとなっている。
自動車部品業界『他社牽制力』ランキング…トップ3はデンソー、住友電装、矢崎総業
2017年06月16日(金) 16時30分
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