ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2016

パテント・リザルトは、独自に分類したゴム製品業界の企業を対象に、2016年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2016」をまとめた。

この集計により、直近の技術開発において各社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。集計の結果、2016年に最も引用された企業はブリヂストンの1296件、次いで横浜ゴムの671件、住友ゴム工業の660件。トップ3は前年調査と同じ順となった。

1位ブリヂストンの最も引用された特許は、「低発熱性に優れたタイヤ」に関する特許で、後発の特許13件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この13件はいずれも住友ゴム工業と三菱化学の共同出願特許となっている。次いで、「太陽電池用の封止膜」に関する特許や、「耐偏摩耗性能とウェット性能を向上させたタイヤ」に関する特許などが挙げられ、それぞれ後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されている。2016年に、ブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(199件)、次いで横浜ゴム(110件)、東洋ゴム工業(69件)と続いている。

2位横浜ゴムの最も引用された特許は、昨年に引き続き「製造コストを低減し、耐久性の向上を図ったタイヤ」に関する特許で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この12件は全てブリヂストンの特許となっている。このほかには「パンク防止用の密封層を内貼りしたタイヤ」に関する特許や「タイヤ骨格部材を改良して製造コスト低減と耐久性向上を図ったタイヤ」に関する特許などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2016年に、横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はブリヂストン(128件)、次いで、住友ゴム工業(116件)、東洋ゴム工業(35件)となっている。

3位住友ゴム工業の最も引用された特許は、「テニスラケット及びボールの挙動を高精度に測定する方法」に関する特許や、「耐擦傷性や耐剥離性に優れた塗膜で被覆されているゴルフボール」に関する特許などが挙げられ、それぞれ後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されている。このほかには、「転がり抵抗特性と耐摩耗性を両立したタイヤ用ゴム組成物」に関する特許が引用された件数の多い特許として挙げられる。2016年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はブリヂストン(140件)、次いで、横浜ゴム(93件)、東洋ゴム工業(42件)となっている。