2位に入ったトヨタの#10 ラトバラ。《写真提供 TOYOTA》

世界ラリー選手権(WRC)第7戦「ラリー・イタリア サルディニア」が現地11日にフィニッシュを迎え、トヨタ勢は3台そろって上位での完走を果たし、ヤリ-マティ・ラトバラが2位で5戦ぶりの表彰台を獲得した。フォード・フィエスタを駆るオット・タナクが初優勝。

トヨタGAZOOレーシング(TGR)は前戦に続いてデータ収集を主眼とした3カー体制での参戦だったが、そこへ今回は結果という面でも大きな収穫が伴った。#10 ラトバラが2位、#12 エサペッカ・ラッピが4位、そして#11 ユホ・ハンニネンが6位と、3台の「ヤリスWRC」がそろってトップ6圏内でゴール。ラトバラは優勝した第2戦スウェーデン以来、今季3度目の表彰台を獲得した。

トミ・マキネン TGRチーム代表のコメント
「間違いなく、我々にとっては今年もっとも力強い(内容と結果の)ラリーのひとつだったと思います。ヤリ-マティ(ラトバラ)は優勝まで12.3秒差に迫り、エサペッカ(ラッピ)は多くのスペシャルステージでベストタイムを記録して、彼自身のベストリザルトも更新しました」

「そしてユホ(ハンニネン)は金曜日に一時ラリーをリードし、最終的には選手権でのポジションアップに成功しました。参戦初年度の前半でこのような素晴らしい結果を残すことができたのは、ドライバー、コ・ドライバー、エンジニア、メカニック、そしてチームのおかげです。みなさんに心から感謝します」

2位 #10 ラトバラのコメント
「最終日にトップとの差を縮め、2位でフィニッシュできたことに満足している。ただ、今日だけで2回ミスをしてしまったことが悔やまれるね。とはいえ、チームにとってはリザルト、パフォーマンスの両面でとても良いラリーだったと思う」

ワークス復帰初年度、序盤2戦で2位〜優勝と幸先良いスタートを切ったトヨタだが、その後は少々(順位的には)精彩を欠いていた。シーズン中盤、「学びの年」に着実に蓄えつつある力とともに、今回の好成績も契機にして再び存在感を発揮することができるだろうか。次戦以降の活躍にも期待したい。

第7戦の優勝はMスポーツ・ワールドラリーチームのオット・タナク。フォード・フィエスタWRCを駆り、キャリア初のWRC優勝を飾った。

全13戦の折り返し点となる第7戦を終え、ドライバーズランキング首位はタナクの僚友で個人5連覇を目指すセバスチャン・オジェ(今回5位)が依然としてキープ。これを18点差でヒュンダイのティエリー・ヌービル(今回3位)が追っている。タナクが首位から33点差のランク3位、ラトバラは同34点差のランク4位。

マニュファクチャラー(チーム)部門タイトル争いはMスポーツが首位、ヒュンダイが40点差の2位という状況で、トヨタは首位から91点差の3位。

WRC第8戦ポーランドは6月29日〜7月2日に開催される。トヨタGAZOOレーシングは3戦連続となる3台体制で参戦する予定だ。

2位に入ったトヨタの#10 ラトバラ。《写真提供 TOYOTA》 2位に入ったラトバラ(右)とコ・ドライバーのM.アンティラ。《写真提供 TOYOTA》 #12 ラッピは4位。《写真提供 TOYOTA》 #11 ハンニネンは6位。《写真提供 TOYOTA》 第7戦の表彰式。《写真提供 TOYOTA》 優勝したタナク(右)とコ・ドライバーのM.ヤルヴェオヤ。《写真提供 Red Bull》 優勝した#2 タナク。《写真提供 Red Bull》