アキュラの中国生産モデルCDX(広州市の広汽本田ショールーム)《撮影 池原照雄》

ホンダは中国で高級車ブランド「アキュラ」の事業強化を図るため、現地生産や専用モデルの投入を加速させる。現地生産モデルは現在1車種のみだが、2018年中までには3車種に拡大させ、価格競争力を高めて販売増につなげる。

アキュラの中国での生産・販売を担当している広汽本田(広東省広州市)の佐藤利彦総経理が、6月9日に日本の報道関係者を対象に開いた工場視察会で明らかにした。現在、同社で生産している車種は、中国専用モデルとして開発し、昨年7月に市場投入したSUVの『CDX』(1.5リットルターボ車)のみだが、17年末には米国から輸入している中型セダン『TLX』を中国向けのロングボディに改良して『TLX-L』(2.4リットル)とし、現地生産に切り替える。

佐藤氏は、これに続いて上級SUVの『RDX』(3.0リットル)も「18年に中国での生産を計画している」と表明した。同モデルも現在は米国生産車を輸入・販売している。RDXは18年に全面改良が計画されており、それを機に切り替えを図る方針だ。

一方、中国では政府が電気自動車などいわゆる新エネルギー車の普及推進を大方針として打ち出しており、佐藤氏はアキュラの現地生産化でも電動化への対応が「大きな課題」との認識を示した。現地生産の第1号となったCDXについては、18年半ばまでにハイブリッド車を追加する計画だ。

中国でのアキュラ車販売は、CDXの投入効果により16年は前年の2.2倍の約9000台に急増、06年の市場参入以来、最多となった。TLX-Lの現地生産も加わる今年は2万台の販売を目指す方針を打ち出している。広汽本田は現在、アキュラについては旗艦スポーツ車である『NSX』を含む5車種を販売している。日本メーカーによる高級ブランド車の中国生産は、日産自動車が先行し、「インフィニティ」の一部車種を14年秋から始めている。

広汽本田の佐藤利彦総経理《撮影 池原照雄》 広汽本田社屋《撮影 池原照雄》 広汽本田生産ライン《撮影 池原照雄》