企業倒産月次推移

東京商工リサーチが6月8日に発表した2017年5月の全国企業倒産状況によると、倒産件数(負債額1000万円以上)は802件、負債総額は1069億1700万円だった。

倒産件数は、前年同月比19.5%増で2か月ぶりのプラスとなった。月次で800件を上回ったのは、2015年6月以来1年11か月ぶり。依然として低水準な基調に変化はない。一方、負債総額は同7.7%減で、2か月ぶりに前年同月を下回った。負債額別では1億円未満が599件と小規模倒産が7割を占めた。これに対して、負債10億円以上の大型倒産は前年同月より3件少ない16件にとどまり、負債100億円以上の大型倒産は2か月連続で発生なしだった。

産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を上回った。サービス業他が226件(同29.8%増)で3か月連続で増加した。また小売業が110件(同42.8%増)で5か月ぶりに増加、農・林・漁・鉱業は11件(同83.3%増)で4か月連続の増加。不動産業28件(同100.0%増)が3か月ぶり、製造業114件(同26.6%増)と情報通信業44件(同62.9%増)が2か月ぶりに増加に転じた。一方、建設業は144件(同0.6%減)で2か月ぶりに前年同月を下回り、卸売業103件(同7.2%減)と運輸業19件(同9.5%減)が2か月連続で減少。金融・保険業は3件(同50%減)で3か月連続で減少した。

地区別では、9地区のうち5地区で前年同月を上回った。関東は327件(同24.3%増)で4か月連続でプラス。また、九州が55件(同14.5%増)で7か月ぶりに増加に転じ、近畿212件(同44.2%増)と北海道29件(同61.1%増)および四国20件(同53.8%増)がそれぞれ2か月ぶりに前年同月を上回った。一方、東北は31件(同11.4%減)で4か月連続、北陸が15件(同6.2%減)で2か月連続減少。中部が90件(同8.1%減)、中国が23件(同30.3%減)でともに2か月ぶりに前年同月を下回った。