オートサービスショー2017:ツールプラネット≪撮影:中尾真二≫

ツールプラネットのブースには自己診断システム老舗「AUTOLAND SCIENTECH」(オートランド)製の新製品「iSCAN 3」が展示されていた。特徴は輸入車メーカーで40社以上に対応している点とオフラインでのコーディング(プログラム)が可能なこと。

ECU等車載コンピュータの自己診断システムは、スキャンツールなどとも呼ばれ、専用の端子(OBD-II)から、ECUの信号を読み取ってセンサーの値や異常を検知してくれる自動車整備には欠かせない機器。スキャンツールはECUのフォールトコード(エラーコード)を検知・表示する機能の他、コーディングまたはプログラミングと呼ばれる作業も必要だ。例えばトランスミッションを載せ替えたとき、ECUソフトウェアの設定変更または入れ替えを行う必要がある。通常、この作業はメーカーのサーバーにつないだ状態で行うのだが、iSCAN 3はオフライン状態でもこの作業が可能だ。

オフラインでコーディング可能なスキャンツール製品は、オートランド以外では作っているところが少ない。国内ではツールプラネットが総代理店になっている。メルセデスベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、フォード、GMなど輸入車のメーカー、ブランドのほとんどに対応している。また、エンジン制御用のコンピュータだけではなく、トランスミッション、サスペンション、シャーシ、ブレーキ、エアコンやカーナビ、ドアロック、シート制御など車載されるコンピュータほとんどすべてを網羅している。

対応メーカー・車種の多さとオフラインコーディングは、同社スキャンツールの過去モデルから続く特徴だが、iSCAN 3からは、デバイスのOSにAndroidを採用し、ネットワーク機能やユーザ―インターフェイスも強化された。

本体はWi-Fi経由でインターネットにつなぐことで、iSCAN 3の本体ソフトウェアがワイヤレスでアップデート可能だ。さらにオートランドのサーバーにつないで、操作方法などのアドバイスを受けたり、リモートで操作をしてもらうこともできる。整備が初めての車でもiSCAN 3が対応している車種なら、データ読み取りやコーディングの操作方法をインターネット経由で教えてもらえる。同様に計測結果の印刷も、プリンタとケーブルをつなぐ必要はなくワイヤレスで行える。

ディスプレイも10.1インチに拡張され、タッチスクリーンにもなっている。操作はスマホ感覚で行えるのもうれしい。

iSCAN 3は、シリーズの3代目として7月にまず欧米市場向けに発売が開始され、秋ごろには国内販売も開始される予定だ。価格は未定とのことだ。

オートサービスショー2017:ツールプラネット≪撮影:中尾真二≫ オートサービスショー2017:ツールプラネット≪撮影:中尾真二≫ オートサービスショー2017:ツールプラネット≪撮影:中尾真二≫ 国や地域で車種を選ぶ≪撮影:中尾真二≫ 40社以上のメーカーに対応。≪撮影:中尾真二≫ オートサービスショー2017:ツールプラネット≪撮影:中尾真二≫ 読み取った値の表示例。オシロスコープ機能ももあるので波形表示も可能≪撮影:中尾真二≫ 診断コンポーネントのメニュー≪撮影:中尾真二≫ 右:ツールプラネット 代表取締役浅野一信氏、左:同取締役 寺川佳秀氏≪撮影:中尾真二≫ オートサービスショー2017:ツールプラネット≪撮影:中尾真二≫