第101回インディ500で日本人初優勝の偉業を成し遂げた佐藤琢磨。この勝利によってインディカー・シリーズのポイントランキングでも2位タイに浮上し、今季チャンピオン争い本格参入の可能性が現実味を帯びてきている。
インディ500は単独で至上の価値をもつレースイベントだが、インディカー・シリーズの一戦(今季第6戦)としての側面も有している。今回の勝利は琢磨にとって2013年ロングビーチ戦以来のシリーズ通算2勝目だ。
そしてインディ500は優勝得点が通常の2倍の100点であるなど、シリーズタイトル争いにおいても要衝といえるポジションのレースとなっている。
琢磨のインディ500前まで(〜第5戦)の今季ドライバーズポイントランキングは、97ポイント獲得で10位タイだった。しかし、インディ500を制覇したことで137点(予選ポイント等も含む)を荒稼ぎし、通算234点で2位タイへと大幅な上昇を果たしている(注:同点にも順位付けは為されるが、シーズン途中経過なので本稿ではタイ扱い)。
インディカー・シリーズ第6戦終了時のポイント上位は以下の通り。
245点 エリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)
234点 シモン・パジェノー(#1 Team Penske/シボレー)
234点 佐藤琢磨(#26 Andretti Autosport/ホンダ)
234点 スコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)
190点 アレクサンダー・ロッシ(#98 Andretti Herta Autosport w/Curb-Agajanian/ホンダ)
188点 トニー・カナーン(#10 Chip Ganassi Racing/ホンダ)
トップと2位タイに並ぶ琢磨ら3人、上位計4人が固まって頭ひとつ抜けたようにも見えるが、通常レースでも優勝50点(他にボーナスあり)、残り11レースもあるのだから、ランク5番手以降の選手もまだまだチャンス充分だ。また、インディカーの場合はオーバル戦と市街地&ロードコース戦という異なる特性の舞台での戦いが混在していくため、予測を立てるのが難しい面もある。
ただ、この時点でこれだけの好位置につけたことはチャンピオン争い本格参入の現実味を感じさせる要素に違いなく、琢磨には500制覇の余勢を駆って、今季もうひとつの偉業を達成してもらいたい。
ちなみに今季は世界耐久選手権(WEC)でもトヨタの中嶋一貴、小林可夢偉にタイトル獲得の期待が大きい(現在は中嶋がランク首位)。秋には日本人ドライバーがFIA世界タイトルと北米最高峰タイトルをともに獲得、という嬉しいニュースが届く可能性もありそうだ。
インディカー・シリーズの次戦はデトロイト・ベルアイルでの市街地ダブルヘッダー。インディ500からの連戦日程で、第7戦決勝が現地6月3日、第8戦決勝が同4日の予定となっている。
【INDYCAR】佐藤琢磨、シリーズタイトル争い本格参入にも現実味…500制覇で大量得点、ランク2位タイ急浮上
2017年05月31日(水) 12時56分
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