VW XL1のカーボンモノコック。《撮影 高根英幸》

ドイツのムベア社のブースには色々な製品が並んでいたが、一番目を引いたのは、やはりCFRP製のモノコックボディだろう。まるでレーシングカーと見紛うほどのデザインだが、何とVWの超低燃費車『XL1』のものだ。

「当社は元々はバネ製品を得意としていたんですが、様々な企業と合併したことで幅広い種類の製品を自動車メーカーに提供できるようになりました」と同社の説明員。CFRP製品もその一つで、工場はドイツ以外にもヨーロッパやアジアにもあるそうだ。「このXL1のカーボンモノコックはVW社との共同開発で、そのベースになっていたのはマクラーレンのスーパースポーツMP4なんですよ」。何と、マクラーレンのカーボンモノコックもムベア社製なのか。

そこから寸法を変えるなどしてXL1のモノコックは開発されたそうだ。製法は金型にカーボンファイバーを敷いて樹脂を注入するRTMだが、サイドシルの中空構造まで一発で成型し、このモノコック自体は2ピースで構成されているそうだ。「この中空構造を作れるのが弊社独自の技術です」。マクラーレン以外にも、スーパーカーのカーボンモノコックの生産を受託しているそうだ。

サイドシル部分は中空構造だが、ここも同時に成型している。《撮影 高根英幸》 1Lの燃料で111km走行できる超低燃費車XL1。《撮影 高根英幸》 BMW M4にオプション設定されているカーボンホイールもムベア社製だ。《撮影 高根英幸》