ウェスタンデジタルコーポレーション オートモーティブマーケティング ディレクターのラッセル・ルーベン氏《撮影:清水 知恵子》

米ウエスタンデジタルは5月25日、車載向け組み込みフラッシュドライブ「iNAND 7250A」を、傘下の「サンディスク」ブランド製品として発表した。次世代e.MMC5.1規格に準拠し、8-64GBまでの容量を用意する。ナビやインフォテインメントだけでなく、運転支援システム(ADAS)やコネクテッドカーのストレージ需要に対応するものだ。

今回の新製品について、ウエスタンデジタルコーポレーションのオートモーティブマーケティング ディレクターのラッセル・ルーベン氏は話す。「車載向けのNANDフラッシュメモリは、需要が拡大しています。これまでのナビやインフォテインメント用途だけでなく、自律走行のための高精度地図やデジタルクラスター(グラフィカルな液晶メーター)、On The Air アップデートやV2X用途などです。そういった実際の走行に関わる機能には、従来のインフォテインメント分野よりもいっそう高い信頼性が求められます」

近い将来、コネクテッドカー1台あたりに必要とされるNANDの量は1000ギガバイトに達し、車内でのデータトラフィックは年間2億8,000万ギガバイトに達し、自動車の安全や快適を支えるようになるとウエスタンデジタルは見ている。

「設計から製造までを自社内で行う垂直統合が我々の強みです。結果的にiNAND 7250Aにおいて高い信頼性を実現しました。また熱に弱いというNANDの特性を克服し厳しい自動車業界の要求にこたえました。eMMCのコントローラを強化するなどにより、動作温度範囲はクラス2の-40度〜105度を実現し、より厳しい温度環境下でも動作します」と製品の特徴を述べた。

ウエスタンデジタル、新世代車載用ストレージデバイス『iNAND 7250A』を発表 ウェスタンデジタルコーポレーション オートモーティブマーケティング ディレクターのラッセル・ルーベン氏《撮影:清水 知恵子》