トヨタは今季初の3台体制で第6戦ポルトガルに挑んだ。《写真提供 TOYOTA》

世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリーポルトガル」が現地21日にフィニッシュを迎え、今季初の3台体制で参戦したトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は7、9、10位でラリーを終えた。優勝は今季フォード・フィエスタで走っている2013〜16年王者セバスチャン・オジェ。

18年ぶりのワークス復帰初年度、これまでは#10 ヤリ-マティ・ラトバラと#11 ユホ・ハンニネンの2台で実戦に臨んできたトヨタが、シーズン初の3台体制での参戦を敢行。これは今季を「学びの年」と位置づけるなかで、より多くのデータ収集を主目的としたものであり、同じトヨタの3台体制でもルマン24時間に臨むそれとは意味合いが違う。

ポルトガルでの「トヨタ・ヤリスWRC」勢は、#11 ハンニネンの7位が最高で、#10 ラトバラが9位、#12 エサペッカ・ラッピが10位と、順位的には低調と言わざるを得ない結果だったが、 チームを率いるトミ・マキネン代表(1996〜99年WRCチャンピオン)は目的に対して一定以上の成果が得られた旨と、ラッピの速さに満足したことを語っている。

「今回もまた非常に難しいラリーでしたが、将来に向けていろいろなことを学びました。3台のヤリスWRCがすべて完走したことに満足しています。7位のユホ(ハンニネン)は、小さなトラブルに見舞われなければさらに上の順位でフィニッシュしていたはずです。今回も彼は我々のプログラムにとって大事な貢献をしてくれました」

「エサペッカ(ラッピ)は、今回がヤリスWRCでのデビュー戦だったにも関わらず、素晴らしい働きをしてくれたと思います。彼が急激にスピードを高めていったことには感銘を受けましたし、彼の将来は明るいと確信しました」

「チームはここまでに学んできたことをとても効率的に吸収しています。コ・ドライバーを含む選手全員とすべてのチームスタッフに感謝しています」

トヨタは次の第7戦イタリアにもラッピを含めた3台体制で参戦、マシン開発をさらにピッチを上げて進めていく方針だ。

第6戦ポルトガルを制したのは、今季Mスポーツに移籍して「フォード・フィエスタWRC」をドライブしているセバスチャン・オジェ。開幕戦以来の今季2勝目で、個人5連覇に向けてドライバーズポイント首位をキープしている。

2〜3位は「ヒュンダイ i20 クーペ WRC」の2台。ティエリー・ヌービルが2位で、ダニ・ソルドが3位だった。

6戦を終えて、マニュファクチャラー(チーム)ズポイント獲得ランキングはMスポーツが199点で首位。これを173点のヒュンダイ、113点のトヨタが追う形勢となっている。

第7戦「ラリー・イタリア サルディニア」は6月8〜11日に開催される。

今回トヨタ勢最上位の7位に入った#11 ハンニネン。《写真提供 TOYOTA》 #10 ラトバラは9位。《写真提供 TOYOTA》 #12 ラッピは10位。《写真提供 TOYOTA》 第6戦の表彰台に上がった1〜3位のドライバーとコ・ドライバーたち。手前中央が勝者オジェ。《写真提供 Red Bull》 優勝した#1 オジェ(Mスポーツ)。《写真提供 Red Bull》 2位の#5 ヌービル(ヒュンダイ)。《写真提供 Red Bull》 WRCは早くもシーズン中盤の戦いに突入している。次戦は中2週を挟んでのイタリア戦。《写真提供 TOYOTA》