ポールポジション決定の瞬間、夫人と抱き合うディクソン。(インディ500)《photo 重信直希 / Naoki Shigenobu》

インディ500=インディアナポリス500マイルレースの「ポールデイ」と呼ばれる22日、前日の予選で9位以内に入ったドライバーが、決勝のグリッドを争った。

9位から順のアタックで、まず場内を沸かせたのは3番目にコースインしたフェルナンド・アロンソだった。アロンソは4周すべてを231マイル/h台で揃え、その時点でトップに立つ。

そのアロンソを抜いたのが同じアンドレッティ・オートスポートの同僚アレクサンダー・ロッシだ。恐らくはアロンソからのフィードバックを受けたロッシは4周平均231.487マイル/hで暫定首位に。

更に驚異的なスピードを見せたのは前日3位だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だ。ディクソンは232マイル/h台へ突入する232.164マイル/hを記録して堂々のトップへ。思えば前日、気温のまだ高い中で3位のスピードを出した彼がこの日一番の伸びしろを持っていたということか。残されたのはふたり。佐藤琢磨とエド・カーペンターだけだ。

佐藤琢磨も1周目に232マイル/hを出して大いに期待を持たせたが、2周目に231マイル/h台、3周目には230マイル/h台へと失速してしまった。この時点で3位の琢磨がフロントローに入れるかは残るひとりカーペンターの走り次第となった。

カーペンターは力強いドライビングで231.664マイル/hをマーク。琢磨をフロントローからはじき出した。琢磨は5位のアロンソと並ぶ2列目イン側4番手グリッドから決勝をスタートする。

そのカーペンターでもディクソンのスピードには遠く及ばず、ディクソンの第101回インディアナポリス500、ポールポジションが決定した。ディクソンが前回ポールを獲った2008年、彼はそのまま決勝での優勝をもさらっている。2度目のポールを確定させたとともに、2度目の優勝も大きく引き寄せたといえるだろう。4タイム・チャンピオンの強さばかりが際立ったポールデイとなった。

ポールポジションの賞金10万ドルを獲得したディクソン。(インディ500)《photo 重信直希 / Naoki Shigenobu》 予選アタックに向かう佐藤琢磨。(インディ500)《photo 重信直希 / Naoki Shigenobu》 アロンソは順位を上げ、5番手グリッドを獲得。(インディ500)《photo 重信直希 / Naoki Shigenobu》 ポールポジションを逃したエド・カーペンター。(インディ500)《photo 重信直希 / Naoki Shigenobu》 アンドレッティ勢6人の最速はアレクサンダー・ロッシの3位。(インディ500)《photo 重信直希 / Naoki Shigenobu》