NTN 高速回転対応プーリ用軸受

NTNは5月18日、外輪回転で1分間に2万回転まで対応可能な高速回転対応プーリ用軸受を開発したと発表した。

近年、ダウンサイジング技術によるエンジンの小型化やISG(ジェネレータとスタータが一体化したモーター)搭載車の増加などによって、エンジン補機類のレイアウトは複雑化。使用されるベルトおよびプーリ用軸受の設置レイアウトの制限が大きくなっている。プーリ径を小さくすれば設置レイアウトの自由度は高くなるが、プーリ用軸受には高速回転性能が求められる。

今回開発した高速回転対応プーリ用軸受は、保持器とシールを回転遠心力に対応する設計とすることで、高速回転時のシールリップ部の発熱や保持器の変形を抑制。同社従来品比約1.3倍となる1分間に2万回転まで対応が可能となった。また、グリースも低温特性に優れた仕様とすることで、低温時でのグリース硬化を防ぎ、軸受の外輪とプーリが振動する冷時異音の発生を抑制する。

さらに、軸受の破損原因のひとつである脆性はく離に対し、破損の進行を抑制するグリース添加剤の採用や、軸受軌道輪の熱処理の工夫により、低温特性を向上しながら耐脆性はく離特性を維持。同時にシール形状やグリース基油、軸受の内部諸元を最適化することで、シールにかかるトルクとグリースの撹拌抵抗を抑え、回転トルクも同社従来品比10%低減を実現した。

NTNは、今回開発した高速回転対応プーリ用軸受を、5月24日から26日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2017」に出展する。