富士通フォーラムの様子。ビジネス領域が広く見どころが多い。《撮影 佐藤耕一》

自動運転を実現するAI(人工知能)は、各社がしのぎを削る最先端の技術競争領域だ。富士通が提案するのは、AIを車両側とクラウド側に分けて役割分担し、それぞれのAIが連携することで”成長するクルマ”を実現するというものだ。

富士通は16日、「富士通フォーラム2017」内覧会を開いた。富士通の展開する様々なビジネス事例のショーケースとなるが、自動車関連の展示を紹介する。一般公開は18日から2日間の予定。

クルマが走るリアルワールドは常に変化しており、同じ状況は二度とない。道路、天候、他の車両や歩行者の動きは千差万別だ。そういった状況をAIが正しく認識し、判断するために、学習効果を積み上げていく必要がある。

富士通の提案は、認知>学習>判断の各ステップのうち、「学習」をクラウド側のAIで行うというもの。これによって、多くの車両のデータを集められること、負荷の高い分析はクラウドAIに任せられること、得られた知見を車両側のAIに還元できることをアピールする。

担当者によると「以前から富士通は監視カメラで培った技術があり、車種まで識別できるほどの高い画像認識の精度があります。そのようなデータを「Zinrai」で分析し、車両側に還元することで、”成長するクルマ”を実現するシステムです」と説明する。

また先般のデンソーによる富士通テンの子会社化の影響について聞いたところ、「デンソーさんとお話しする機会は増えました」とのことだった。

クラウドAIは、富士通のMobility IoTサービスの一つとして展開される《撮影 佐藤耕一》 画像を認識している様子《撮影 佐藤耕一》 富士通のMobility IoT は、コネクテッドカーの要件となる各種ソリューションをクルマークラウドの垂直統合で提供するもの《撮影 佐藤耕一》