新型『ミライース』と三井正則社長《撮影 山田清志》

ダイハツ工業は5月9日、都内のホテルで新型軽乗用車『ミライース』の発表会を開いた。三井正則社長は「新型ミライースは軽の本質である低燃費、低価格に加えて安心、安全ときびきびした走りを実現した」とその特徴をアピールした。

新型ミライースでは、これまでと同様に全社横断のメンバーでお客の声を聞き、現場を体験する「商品要件探索チーム活動」を展開。そこから得られた情報を重視しながら開発を進めたという。

「お客さまは経済性を重視しながらも、消費の質が高度化し、メリハリを付けた消費行動に変化する中、低燃費、低価格と同様に安心感などその他の魅力も必要だと感じた。つまり、低燃費や低価格を磨きながらも、安全で安心して乗っていただくためのプラスαの魅力を提供することが新型ミライースの価値であると考えた」とエグゼクティブチーフエンジニアの南出洋志氏と話す。

そこで、企画・デザインから開発、生産、販売に至るまですべてのフェーズでクルマづくりを見直した。特に安心、安全にはこだわったという。軽くても衝突などに強い軽量高剛性ボディ「Dモノコック」を採用。また、ミライースとしては初めて衝突回避支援システム「スマートアシストIII」も搭載した。これは車両だけでなく歩行者にも対応しており、車線逸脱警報機能や誤発進抑制制御機能なども備わっている。しかも、搭載車の価格は90万7200円とお手頃だ。

「軽自動車は女性や高齢者を中心にご愛用いただいており、買い物や通院など日常生活に寄り添うパートナーのような存在。そのような軽自動車だからこそ、安全、安心なクルマを普及していきたい。これは軽トップメーカーであるダイハツの願いであり、使命だと考えている」と三井社長は強調する。

走りについても、最適制御に進化させたユニット(KF-VE型エンジン+CVT)を採用し、走行性能を向上させた。これによって、発進時や追越時などでストレスのない加速感を実現したとのことだ。

三井社長によると、この新型ミライースはダイハツの今後を左右する、大きな意味を持つクルマだという。というのも、新たなプラットフォーム「DNGA」(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を搭載したクルマだからだ。

「新型ミライースはDNGAの原点になるクルマで、これをベースに小型車へ、そしてグローバルに展開していく」と三井社長。ダイハツは今年3月に創立110周年を迎え、新たなスローガン「Light you up」を掲げ、「モノづくり」「コトづくり」を主軸にダイハツブランドの進化を目指す中長期経営シナリオ「D-Challenge2025」を策定している。

新型ミライースの発表会で挨拶する三井正則社長《撮影 山田清志》 新型ミライースの説明をするエグゼクティブチーフエンジニアの南出洋志氏《撮影 山田清志》 新型ミライースの発表会の様子《撮影 山田清志》 スライドで映されたダイハツが目指す姿《撮影 山田清志》