現地の大手メーカー、BYDの『王朝』《撮影 佐藤耕一》

中国ではいまSUVが大人気だ。マツダが中国で販売している『CX-4』も好調が伝えられ、さらに『CX-3』も今年後半に投入予定だ。しかいマツダだけではない。上海モーターショーの展示車両を見ると、生産車・コンセプトカーに限らず、とにかくSUV一色といった風情だった。

グローバルでSUVに人気が集まっているから、ということもできるが、それにしても数が多い。そこで、中国市場のこのような状況について、中国の大手メーカーの一角である広州汽車(GAC)のブースで聞いた。応えてくれたのは、セールスマネージャーの于博君氏。

「中国市場では、2000年過ぎたころから自家用車の普及が始まりました。当初はセダンタイプの車両がほとんどでした。その状況は、最初のモデルチェンジの時期になる2007-8年ごろまで続きます」

「しかしその後、消費者の購買力が上がり、また一人っ子政策の見直しがあったため子供が増え、セダンでは手狭になってきたため、3世代目にあたるモデルサイクルとなるいま、SUVに人気が集まり、またSUVの車種も急増しているのです」

「また中国の消費者は、SUVは頑丈で安全だという認識があり、支持されているという事情もあります」

グローバル市場とはまた違う意味で、SUVが人気を集めている興味深い事情を聴くことができた。ちなみに日本市場では、SUV人気が過ぎ去ったあと、ミニバンに人気が集まり、現在に至っているが、中国市場もそのように推移するのだろうか。

「個人的な意見ですが、中国ではミニバンはあくまで商用車というイメージなので、自家用車としては支持されないと思います。中国でもカーライフが多様化し、ロングドライブを楽しむファミリーも増えてきたので、ミニバンが人気化する可能性もありますが、それよりはSUVが大型化、多様化するのではないかと思います」

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