出光興産と昭和シェル石油が「協同事業」による業務提携を千代田区大手町で発表した。

アライアンス(協働事業)名は「Brighter Energy Alliance」(ブライターエナジーアライアンス)。同日からスタートする。

9日14時30分からの会見には出光の丹生谷晋取締役と、昭和シェルの渡辺宏常務執行役員が出席して発表した。

両者は2011年11月に、「経営統合に向けた協議」について基本合意書を締結。ところが、その翌月には出光創業家の出光昭介名誉会長が意見表明。議決権の3分の1以上の株式を保有し、合併を拒否できることを背景に、同社経営陣と方向性の違いを鮮明にした。

17年4月を目標にした合併は、対立の溝が埋まらないまま16年10月に無期延期となった。

今回の業務提携は、無期延期の会見でも「1年以内に合併を実現したい」(出光・月岡隆社長)、「出光がベストなパートナーという点は全く揺らいでいない」(昭和シェル・亀岡剛社長)の強い意志によるものだ。

このアライアンスで、「原油船の共同配船など、すでにいくつかは着手。シナジーを狙っている」(昭和シェル・渡辺宏常務執行役員)と話す。