【新聞ウォッチ】タカタ製欠陥エアバッグ米国で”ヤミ流通”、重傷事故

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2017年4月21日付

●スカイライン「還暦」全13モデル一堂(読売・10面)

●ギンザシックス和の趣、開業初日2500人行列(読売・33面)

●タクシー相乗り都市部でも、来年度にも、五輪時の不足に対応、配車予約アプリを応用(朝日・1面)

●「冬眠」明けた黒部トロッコ(毎日・26面)

●欠陥エアバッグ流通か、タカタ製米で重傷事故(産経・11面)

●TPP米抜きでも変えず、関税や通商ルール(日経・1面)

●自動運転車に減税、自民特命委の最終報告案(日経・4面)

●上海ショーで国有大手、中国独自ブランド車攻勢(日経・11面)

●日野自、営業減益幅が縮小、前期、インドネシア復調(日経・17面)

●排ガス路上試験2022年に、ディーゼル車、実走時の数値把握、国交省など(日経・38面)


ひとくちコメント

リコール(無料の回収・修理)の対象となったタカタ製の欠陥エアバッグが、米国で中古部品として流通している可能性があることが明らかになったという。

ホンダが発表したそうで、きょうの日経などが取り上げている。それによると、3月、別の車から取り外されたとみられる欠陥エアバッグを搭載したホンダ車が米ラスベガスで事故に遭い、異常破裂により運転者が重傷を負ったという。中古品の流用はリコール済みのホンダ車のエアバッグが異常破裂した事故の原因調査で明らかになったそうだ。

この事故車両は2015年にホンダの系列店で欠陥エアバッグの交換を済ませていたが、その後に事故を起こし、独立系の修理業者が廃車場から入手したとみられる欠陥エアバッグを取り付けて現在の所有者に販売していたという。

きょうの日経は「タカタ製エアバッグのリコールに新たな難題が持ち上がった」と指摘。「車検制度の緩い米国で自動車各社が恐れていた事態が現実となり、対策がさらに長期化する恐れもある」と伝えている。

タカタといえば、目下、経営の再建策をめぐっても取引先の自動車メーカーなどとの間で食い違いがあるなど暗礁に乗り上げている。今回米国市場でのホンダ車で発覚した欠陥エアバッグのヤミ流通は安全対策に直接影響するだけに、信頼性を失いかねない。国内では中古エアバッグを修理などで再利用することは認められていないものの、対岸の火事として放置できない頭の痛い問題でもある。