アウディ A4アバント 1.4TFSI Sport《撮影 島崎七生人》

ダウンサイジングターボの普及で、“小さいほうのエンジン”でも“上のエンジン”に対して、ひと昔前のように物足りなさは感じなくなった。『A4』に新設定された1.4TFSIもそうで、「これで何の不満があろうか」といった出来栄えだ。

なので“最良のベースグレード”と書こうと試乗車のスペックシートを見ていて、“Sport”のグレード名に気付く。しかも非Sportの本来のベースグレードに対し、エンジンは同じながらカタログの装備表を較べると、少なくとも14項目の●(標準装備)が加わる(試乗車個体にはほかのオプションも装備)。

しかしここで車両本体価格の差を見ると、507万円対476万円と、31万円の差。しかもSportは17インチタイヤ&アルミホイールやスポーツサスペンション、電動シート(運転席)、リヤビューカメラ等、差額分では到底埋め合わせできそうにない機能、装備内容が標準(セーフティパッケージはオプション扱い)。となれば、1.4ならむしろSportこそ賢明な選択というほかない。

言葉で表わせば、シンプルで清楚…これは正式グレード確認前のこの記事の当初の書き出しだが…走りはまさしくそのとおり。いいのは17インチタイヤ+スポーツサスペンションながら乗り味が快適なこと、エンジンパワーもフワーッと軽やかに発揮されること、など。クワトロや2リットルモデルでは走りの上質さが光るが、150ps/25.5kgmのこの1.4リットルも決してヒケをとらないどころか、なまらかな走りっぷりで不満すら感じない実力が味わえる…というのが正直な印象。実に『A4』らしい“さわやかさん”である。

3つの物理ダイヤルが並ぶ空調スイッチは、直感操作が可能だった往年のダイヤル式を思わせるが、本当はこのほうが使いやすい。フワッと身体を受け止める後席の着座感は上々。側面トリムまで起毛素材で覆われ、メッキのタイダウンフックが備わるラゲッジスペースは、高級ワゴンの原点のようなもので、相変わらずの上質さだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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