フォード クーガ トレンド《撮影 太宰吉崇》

世にあまたエコエンジンあれど、私、これだけにはちょっと一目置いているんです。

それがフォードの「ECO BOOST(エコブースト)」。

「エコブースト」は、フォードの小排気量ダウンサイジングターボエンジンの総称。その志は高く「欧州クリーンディーゼルの走りと低燃費をガソリンエンジンで提供すること」をテーマに作られているのですが、いやはや、この出来がまあ、すんばらしいのです。

だって、どのサイズを選んでも期待を絶対に裏切らないんだもの! 走りよし燃費よしの優等生。高い静粛性を誇り、踏み心地もいい。いわゆるテッパンってヤツ。

だから今回『クーガ』が新しくなって、エンジンの展開が2種類に増えたと聞いて小躍りしちゃいました。楽しいクルマがふたつに増えるから!

そう、変更するまでもなく、これまでのクーガもまた素晴らしかったのです。搭載されていたのは1.6リットルのエコブースト。エコエンジンにありがちな感想で恐縮なのですが、「え、ホントに1.6リットルなの!?」と二度見するほどの伸びやかな加速は、クーガの車体がそこそこ大きめのコンパクトSUVだからということも相まって、鮮烈な驚きだったものでした。

今回はグレードごとにエンジンを乗せ分け、エントリーグレードの「トレンド」には1.5リットル、上級グレードの「タイタニアム」に2.0リットルというエコブーストエンジンのバリエーションが用意されました。内装や外装の変化はほぼナシ。

むろん、どちらもやっぱり驚くほど質感がイイです。さすがエコブースト、期待を裏切りません。1.6リットルでも十分だった動力性能は1.5リットルだって見劣りのするものでは決してなく、都内のクルージングでは必要にして充分。むしろパワーを使い切る箇所を探すほうが難しいくらいでした。相変わらずのパワフルさ伸びのよさにはトキメキすら感じます。

それもそのはず、排気量こそ小さくなったけど、182psと出力は据え置き。ま、つまり同じパワフルさで燃費が良くなったということ。

対して2.0リットル。コチラは初代クーガの2.5リットルを上回る、最大出力242psという勇ましい数字を持つエンジンだから、街中の走行ではごく薄くアクセルを踏むだけでクルージングできてしまうのが素敵。これなら登坂の多いエリアにお住まいの方も、アウトドアレジャーで頻繁に郊外に出掛けるような方でも、2.0リットルという余裕をいざというとき(再加速とか、厳しいワインディングとか!)の保険としてとっておいて、普段はしれっと涼しい顔してゆとりあるドライブを楽しんでいただけるのではないでしょうか。

スペックの余裕は心の余裕。

あんまり回転数を上げて走らせる必要がないぶん静粛性にも長けているし、重厚感あるハンドリングは上級車種のような感覚です。

どちらを選んでも後悔はしないはずですが、私の好みは軽快な1.5リットル。この鼻先の軽さはワインディングでもハンドリングを楽しめそうです。

唯一残念なのは、ナビゲーションがビルトインではなく、外付けとなってしまうことでしょうか。

まあでも、最近はタブレットを車内にナビとして持ち込む人も多いでしょうから、四輪駆動で359万円から(トレンド)という価格はかなり魅力的。コストパフォーマンスの高い走りがウリです。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★


今井優杏|モータージャーナリスト
レースクイーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリストに転向。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等でMCも務めている。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

今井優杏氏《撮影 吉田瑶子》 フォード クーガ トレンド《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ タイタニアム《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ トレンド《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ トレンド《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ トレンド《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ トレンド《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ トレンド《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ トレンド《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ タイタニアム《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ タイタニアム《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ タイタニアム《撮影 太宰吉崇》 フォード クーガ タイタニアム《撮影 太宰吉崇》