フォード マスタング 50イヤーズエディション《撮影 太宰吉崇》

今度の『マスタング』はいろんな味が楽しめる。新設計されて初めて採用された独立懸架式のリアサスペンションはロードホールディング性が高く、コーナリング性能が明らかにアップした。

特に高速域に入るほどジワッと路面を包み込む懐の深さを見せ、パワーをかけていった分だけ確実に速度を伸ばす正確性を身に着けた。それでいながらタイトターンなどで大胆に攻めていくと、リアがズルズルと出ていくような気配を見せて、安定した走りから従来通りちょっぴりユルーイ走りまで乗り味に幅が出た。

直進安定性に関しては従来通りステアリングに対する応答が大味で、大きなうねりや突起などがあっても進路はしっかりとキープ。従来通りステアリングは左右に大きく振れていてもまっすぐに突き進もうとする大らかさをもっている。乗り心地も同様にかためのタイヤがゴツゴツとした入力を見せるものの、大きな入力に関してしっかりと包み込む幅をもつ。

そしてエンジンは4気筒2.3リットルエコブーストによって軽快な吹け上がりとトルク感を両立。排気音のチューニングによって攻めていった時にはV8を思い起こさせるサウンドによって獰猛さも演出。

新世代のシャシーとエンジンを採用していながら、伝統的な乗り味と今風の乗り味を組み合わせていて乗り味が様々。ユルーイ走りからピリッとした切れ味まで幅広く、和洋折衷ならぬ米欧折衷的独特の走りが楽しめる。「一見の価値あり」の新世代マスタングと言える。この後に控えるV8やコンバーチブルがさらに楽しみだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★☆

瀬在仁志|モータージャーナリスト
1960年東京生まれ。AJAJ会員。日本COTY委員。高校時代からカート、自動車免許取得後、ラリー、レースに参戦。スーパー耐久自動車レースでは2 クラス、4クラスで優勝経験を持つ。88年にはA型フォードによるオーストラリア・クィーンズランド一周ラリーで3500kmを完走。03年にはニュルブルクリンク24時間レースに参戦、参加クラスで日本車最高位完走。世界20か国以上の公道とサーキットでの試乗経験を持ち、『ホリデーオート』、『モーターマガジン』誌等で活躍。代表会社であるアップライト社主催による走行会はすでに70回を数えドライビング講師としても活躍する。

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