スバル レガシィ B4《撮影 宮崎壮人》

全長で+50mm、全幅で+60mm、そして全高は-5mm 。これが新しい『レガシィB4』のサイズだ。低く大きくなった。それとともに全体の洗練度を上げてクルマにゆとりと余裕を持たせた。これが新しい「レガシィ」だ。

新車が出るととかく、革新技術と性能面の話や燃費面の話が多く、情緒的な話はほとんどしないのが日本の自動車メーカー。それが新しいスバルレガシィの場合、真っ先に飛び出したのがデザインと動的質感の向上という話だった。まさに情緒的価値の向上がメインテーマである。勿論、従来と変わらない2.5リットル、フラット4エンジンは、その80%の部品を一新しているから、実質的には新エンジンなのだが、そんなところはあまり強く押してこない。だから数値的な表現がほとんど出ないのである。こういうフルモデルチェンジは珍しい。

開発に携わった商品企画本部 上級プロジェクトゼネラルマネージャーの内田雅之氏の話を聞きながら、素のレガシィB4に乗せていただいた。グレードは2種類あって、上級版はリミテッドと言って、こちらは18インチのホイールに減衰力に非線形性を持たせたダンパーを採用している。(スタブレックスと呼ぶ)これに対して素のモデルは17インチで普通のダンパーを装着する。

ドライバーズシートに座ってまず感じるのは、確かにデザイン的な落ち着き感があること。極めてコンベンショナルなデザインだが、初めて乗ったのに何がどこにあるかわかる感じがするし、スイッチやステアリングをはじめとした操作系は手に馴染む。シフトレバー周囲とナビのディスプレイ周囲はピアノブラックのデコレーションが施され、締まり感がある。排気干渉のないエンジンのビートは、確かにスバルの持っていたヤンチャさを削いでしまったかもしれないが、今や大人のクルマに成長したレガシィにはこちらの方が似合っていると感じた。

内田氏が盛んに強調していた動的質感の進化であるが、これは相当に良いレベルに仕上がっていると思えた。一つは17インチタイヤでハイトがあるためという理由もあるが、路面からの入力が実にマイルドで、快適である。そして、リニアトロニックは新たにステップ変速を採用したおかげでフルスロットルもしくはそれに準じる加速を断行した際にも、違和感を感じることなく加速してくれるようになった。そろそろCVTではなくATを使ったら?という意見が多いが、ここまでくればCVTでもいいのではないかと思えたくらいである。

意図的に早いステアリング入力を入れても車両の反応は素早く、それをスポーティーと呼べばスポーティーなのかもしれないが、イメージとしてはむしろ内田氏の言う通り、走りの質が上がった印象であった。余談だが、18インチにスタブレックスの組み合わせだと、ハイトが低く路面からの入力が大きくなるのをスタブレックスが抑えてくれる印象だが、やはり乗り心地としては17インチが勝る。というわけで運動性能に拘りたいドライバーはリミテッドが。快適に走りたい向きには素の17インチホイール装着車がお勧めである。因みに装備的にはほとんど差がない。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来36年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

スバル レガシィ B4《撮影 宮崎壮人》 スバル レガシィ B4《撮影 宮崎壮人》 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁 スバル レガシィ B4撮影 中村孝仁